| 「闇に葬ってはならない」
進展見えない日本人拉致問題
日本政府は11日、北朝鮮への経済制裁(13日に期限切れ)を継続すると閣僚会議で決定した。北朝鮮船舶の日本への入港禁止や輸出入禁止など、日本独自の対北経済制裁は、半年間延長される。
もちろん、進展の見えない日本人拉致問題を見据えてのことだ。拉致問題に対する協議は、昨年9月に行われた6カ国協議の日朝作業部会を最後に途絶えたままだ。北朝鮮は相変わらず、誠意ある対応を見せずにいる。
6カ国協議関係国も日本への協力姿勢はあるとは言えない。もう一方で日本を苛立たせる理由となっている。例えばブッシュ政権だ。拉致問題や北朝鮮の不正行為を質すことより、米朝協議での合意を最優先にしているのは間違いない。拉致問題は核問題の後ろに追いやられた格好だ。米国の姿勢は、日米関係が盤石だと信じてきた多くの日本人にとっては意外に映る。今月末、日本にとってさらに衝撃的なことが起きるかもしれない。米国務省の発表する「国際テロ活動報告書」から「北朝鮮」が消える可能性が出てきたことだ。米国が北朝鮮をテロ支援国家に指定した理由の一つに、実は拉致問題も含まれている。
中山恭子首相補佐官(拉致問題担当)は「そうなれば、日米の信頼関係は大きく損なわれる」と指摘する。
「日本政府が米国など、関係国に求めているのは、長期間ではなくてもいいから一定の間、北朝鮮に対し、日本と同じ対応をしてほしいということだ」
中山補佐官はさらに、「横田めぐみさんが拉致されて29年がすぎた。時間が経っているだけに、動きは鈍いし、解決も難しい。だが、彼らが今も自由を奪われたまま、北朝鮮で苦しい生活を強いられていることに変わりはない。それをわかってほしい」と訴える。
日本政府の拉致対策本部は、7月の北海道洞爺湖サミットに合わせ、各国首脳や海外メディアなどに拉致問題の解決にむけた協力を呼びかけるという。
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「対話する準備はできている。北朝鮮に対し国際社会が日本と同じ対応をとることを望む」 |
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国際社会の共同歩調を
中山恭子補佐官インタビュー
日朝間で歩み寄りの姿勢がない中、拉致問題は国際社会から置去りにされようとしている。盛り上がりに欠ける世論。非協力的な関係国。問題は山積している。拉致問題への解決の糸口はどこにあるのか。中山恭子首相補佐官(拉致問題担当)に聞いた。
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膠着している今の状態を打開する動きはあるでしょうか。
「残念ながらまったくありません。今、日本にできることは、あらゆる方法で北朝鮮に対話を呼びかけることです。われわれは北朝鮮といつでも対話をする準備ができています。日朝協議でやってもいいし、別のルートでやってもかまわないのです」
日本の対北経済制裁の効果は、実際はどうなのでしょう。
「これまで日本政府は北朝鮮に対話を呼びかけてきました。現在も状況は変わりませんが、何らかの変化を促すために始まったのが日本独自の経済制裁です。始まってまだ2年です。もう少し、この状態(制裁)を維持するほかありませんね」
国際社会との足並みはなかなか揃わない。問題解決の有効な対策はあるのでしょうか。
「北朝鮮への支援策に(日本が)不参加を繰り返し表明したことがたびたび強調されます。日本は国際社会の動きに協力したくないわけではありません。北朝鮮が拉致問題を進展させる方向に動いてさえくれれば、いつでも支援に加わります。国際社会は、拉致された自国民を救出できない日本の気持ちをわかってほしい。長い歳月が経ったとはいえ、彼らは今も自由を奪われ、苦しい生活を強いられているのです。国際社会が北朝鮮に対し、日本と同じ対応をしてくれたら、意外と早く解決の糸口が見つかるかもしれません」
北朝鮮はたびたび、植民地時代の強制徴用問題を持ち出しています。
「過去日本が犯した過ちに対して避けるつもりはありません。謝罪と補償など誠意ある対応をしたい。そのためには日朝国交正常化が必要です。それができれば、両国はこれまで抱えていたさまざまな問題を乗り越え、友好関係を築くことができるでしょう。経済支援を含め、日本にできるあらゆる協力をします。しかしこれは拉致問題が解決した上での話です。先に国交を結んでしまうと、拉致問題は永遠に闇の中に葬られてしまう。私たちは北朝鮮の体制を変えようとしているわけではないのです。拉致された日本人を帰してほしいと言っているだけなのです」
拉致問題に対し、韓国もようやく重い腰を上げました。
「韓国とは“拉致”という共通の課題を抱えながらも、これまでまったくと言っていいほど、連携がなされなかった。幸い李明博大統領は、最重要課題として取り組むと明言しておられます。何よりありがたい言葉です。お互いに協力できることもたくさんあると思います。できるだけ、訪問し緊密な連携を図りたいと思います。北朝鮮に最も影響力のある国は韓国です。韓国の協力は私たちに大きな力となるでしょう」
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