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2008年4月16日発行
 
聖火 ソウル(27日)・平壌(28日)はどう迎える
 

2000人がデモ計画 ソウル都心

 3月23日に採火された聖火の国際リレーが、散々な目に遭っている。パリでは聖火リレー史上初めて3度も聖火が消され、サンフランシスコでは聖火リレーを祝福する華僑とリレー反対派の大規模衝突があった。聖火に向けられるはずだった拍手と歓呼は、やじと怒号でかき消された。聖火は27日にソウル、28日には平壌に入る。(ソウル・李民皓)

聖火が狙われた。パリではチベット支援団体や一般市民が激しい抗議行動を展開した(写真・AP=聯合)
 
   

リレー死守指令 中国大使館

 チベット問題への中国政府の対応に世界的な非難が集まるなか、韓国政府は「円満に収拾することを望む」というだけで、何も言わず黙っている。
 韓国の主要メディアは、チベット騒乱と聖火リレーへの抗議活動を、外信報道を引用して報じるにとどまっている。特派員を派遣しても、「中国政府はチベット問題に対して平和的な解決策を出さなければならない」と、陳腐なレポートを送るしか能がない。
 沈黙を守る韓国政府を最も厳しく批判しているのは京郷新聞だ。9日、「チベット事態にいつまで黙るつもりか」という社説を掲載した。
 「政府は中国のチベット弾圧に対して口を閉じている。人権の普遍性をもって北朝鮮人権問題を提起した李明博政府のダブルスタンダードだ。…政府は今すぐにでも中国政府に対し、ダライ・ラマとの対話を通じて平和的に問題を解決するよう要求しなければならない」
 27日に行われるソウルでの聖火リレーでは、法輪功信者や10以上の市民団体など、約2000人規模の抗議行動が予定されている。
 対する中国政府は、在韓中国大使館を通じ、デモ隊から聖火を守る伴走者を募集している。募集は水面下で行われているが、在韓中国人留学生会などに聖火リレーを死守するよう、指針を下したという。
 韓国内のある中国系組織の代表は「韓国警察の助けを借りなくても“反中デモ隊”を抑えられるだろう」と述べた。
 デモ隊の抗議行動は、リレーのコースになっているオリンピック公園一帯と光化門、市役所などであると見られている。しかし、韓国世論はチベット問題に比較的無関心で、大規模デモ経験を持つ市民団体は参加しない。抗議デモは小規模なものになると予想されている。
 昨年8月の時点で在韓中国人は36万人(朝鮮族27万人)。そのうち法輪功信者は5万〜10万人と見られている。
 ソウルでのリレーを終えた聖火は28日早朝、仁川空港から平壌に移動する。平壌で聖火リレーが行われるのは史上初だ。
 リレー走者は北朝鮮の朝鮮オリンピック委員会(57人)、サムスン、コカ・コーラ、レノボなどの五輪公式スポンサー3社(各6人)、IOC(1人)、中国大使館(4人)の80人。1人当たり250メートルずつ、平壌市内20キロを走る。
 平壌での聖火リレーは大々的な歓迎のもとで行われることになるだろう。“血盟の兄弟国”で行われる祭典を、北朝鮮が祝福しないわけがない。最近冷え込んでいる南北関係からみても、北朝鮮は中国の機嫌を損ないたくはない。経済支援は北京だけが頼りだ。

 

「つかれた!」「どうして?」絵・李元壽
 
   

EU首脳全員が開会式ボイコットか
平壌のリレー ユニセフ不参加

 欧州議会は11日、中国当局がダライ・ラマとの話し合いを再開しなかった場合、EU加盟27カ国の首脳全員が北京オリンピック開会式をボイコットするという案を採決にかけた。決議案は580対24(棄権54)という圧倒的差で可決された。
 国連は同日、潘基文事務総長が北京オリンピック開会式をボイコットすると表明した。ボイコットの理由は「ほかの日程と重なる」というものだったが、具体的にどのような日程と重なるのかは明らかになっていない。
 潘事務総長のボイコット表明は、ヨーロッパをはじめとする世界各国の首脳の開会式ボイコット表明を支持したものと受け止められている。
 国連はさらに、28日に平壌で予定されている聖火リレーに参加するはずだったユニセフ職員のリレー不参加を決めた。英紙は「北朝鮮の宣伝に利用される懸念があるため」と報じている。
 だとすれば、五輪そのものが中国の国家宣伝に利用されるのではないかという懸念も生じてくる。

広がる抗議 消されたトーチ

ギリシャ・アテネ(3月24日)
 採火式で中国代表がスピーチを行うなか、NGO「国境なき記者団」のメンバーが乱入。市街地で行われた聖火リレーでは、中国当局がチベットで行った武力鎮圧に抗議する団体らが路上に横たわり聖火ランナーの進路を塞いだ。
イギリス・ロンドン(4月6日)
 沿道での抗議のほか、聖火に水や消化剤をかけようと試みたり、聖火ランナーのトーチを奪い取ろうとしたり、直接的な妨害行為が発生した。聖火ランナーが一部のコースでバスに乗り込むなど、リレーの予定は大きく乱れた。ロンドン警視庁は36人の身柄を拘束したと発表。青いジャージーを着た中国人の「聖火防衛隊」が初めて現れた。
 フランス・パリ(7日)
 約3000人の警察隊が投入され、聖火リレーがスタート。パリ市庁舎には「パリは世界の人権を擁護する」というメッセージボードが掲げられ、聖火ランナーの多くは「よりよい世界のために」と書かれたワッペンをつけて走った。当初の予想を上回る抗議行動に、聖火が少なくとも3度消され、バスで運ばれる事態になった。聖火が消されたのは聖火リレー史上初。身柄拘束者は28人を数えた。
米国・サンフランシスコ(9日)
 聖火の第1走者出走直後、事前の通知なく予定のルートを変更。チベット支援団体らは沿道での抗議を予定していたものの、大きな混乱はなかった。
アルゼンチン・ブエノスアイレス(11日)
 聖火リレー開始前、中国当局の人権抑圧に抗議する団体が抗議行動を行った。聖火リレーでは特に大きな混乱はなかった。

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