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政治
2008年4月2日発行
 
編集余話 瞻星台 
 
民族が溶けていく

 中国に、「民族識別工作」というのがある。中国人民に含むべき民族を文字通り識別して、帰属民族を法的に確定する行政手続きのことだ。55の少数民族が識別されているが、「人民中国」が誕生する前の1935年の段階では、400もの民族が存在した▼毛沢東は1937年、イギリス人記者バートラムのインタビューを受けて、抗日戦における中国の優位性を「地大人多」と表現した。日本軍はこれに負けたのだが、350近い民族もまた、“人民中国”が発展するにつれ、「地大人多」に溶かされてしまった▼早い話が満州族だ。55の1つに識別されてはいるが、自治区も自治州も持ってはいない。人口はおよそ1000万人と3番目に多いのに、華北から東北にかけて四散してしまい、故地は疾うに失われた。「彼らは固有語と文化をなくし、文字通り溶けてなくなった」と、朝鮮族やウィグル族たちは事あるごとに語り、明日の我が身をつらつらと考える▼チベット族はまだいいと研究者たちは言う。「自治区があるし、中南海は少数民族政策で彼らを最も気遣っているのだから」と▼中国の通貨をつい考えてしまう。人民幣の単位は「元」で、補助紙幣に「角」がある。100元を最高単位として、50元、10元、5元と下がるのだが、それぞれに民族、階級の絵をあしらった紙幣が今も流通しており、100元には毛沢東、周恩来らの顔が、50元には技術者と農婦と知識人が、そして漢民族の顔は10元にある▼チベット族は4番目に高い5元に登場している。インド仏教の北伝の地で密教を極めた世界的遺産に、中南海は気遣っているのか?▼それにつけても、満州族だ。価値の最も低い1角に置かれた。ついでに朝鮮族。その一つ上の2角にかろうじて描かれている。満州族の次に消える運命なのだと、吉林省の朝鮮族の嘆きを聞いたことがある。(Y)

 

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