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2008年4月9日発行
 
南北対立はなぜ再燃したか
 

一気に関係冷却化 
韓国「先制攻撃」 北朝鮮「38度線遮断」

 相次ぐ北朝鮮の韓国批判。それとともに、韓国政府が北朝鮮に対し原則的対応を示していることに内外の関心が高まっている。北朝鮮は韓国の金泰栄・合同参謀議長の「(北朝鮮への)先制攻撃」を示唆した発言などを問題視して、連日、韓国を非難している。韓国側は、李明博大統領が金議長の発言を支持するなどして、明らかに前政権とは違う対北姿勢を見せている。ゼスチャーなのか、政権としての基本姿勢なのか。10年ぶりの緊迫した南北の対立。李明博政権の真の狙いはどこにあるのか。(ソウル・金成c)

 北朝鮮が韓国批判を再開したのは、韓国政府の態度を見極めてのことだと見られている。
 対北姿勢を明確にしなかった李明博政権が、前政権の親北路線を引き継がないということを平壌は悟ったのだろう。平壌から見れば「ひたすら金正日を尊重してくれた」盧武鉉・金大中政権とは違い、脅しをかけなければならない必要性を、李明博政権に感じたのかもしれない。
 北朝鮮は韓国内の親北派を通じて、韓国政府の変化に怒るメッセージを伝えている。
 代表的な親北派政治家といわれる大統合民主新党の李華泳議員は2日、あるインターネット新聞とのインタビューで北朝鮮の立場を代弁した。
 李議員は、ハンナラ党の鄭亨根議員が4月から5月にかけて北朝鮮から何らかの軍事的挑発行為があると警告していたことについて、「軍事挑発もあり得るという政治的メッセージを、鄭亨根議員を通じて李明博政権に伝えようとしたのだ」と説明した。
 李華泳議員によれば、北朝鮮は昨年末から、大統領就任式への参加計画を立てるなど、南北対話の再開を望んでいた。北朝鮮は、韓国からのコメ・肥料支援の問題を3月中に解決するよう求めていて、鄭亨根議員はそうしたメッセージを李明博政府に伝えていたという。
 「にもかかわらず、韓国政府はすべて無視した」
 李議員は憤慨した。李議員の思いは、親北派に共通している。
 「6・15実践委員会」の白楽晴・韓国側常任代表は2日、金剛山で北朝鮮側委員会の安京浩委員長に会った。白常任代表は4日、記者懇談会で「新政権に対して北朝鮮は忍耐心を持って静観してきたが、ついに堪忍袋の緒が切れたようだ。彼らが下した結論は非常に否定的なものだった」と、韓国政府に非があるような言い回しで語った。
 北朝鮮の韓国批判は、韓国の総選挙を念頭に置いたものともいわれる。
 北朝鮮は戦争でも仕掛けるような剣幕で韓国に脅しをかけ、韓国内の親北派は「李明博政権のせいで軍事的緊張が高まった」と騒ぐ。北朝鮮にしてみれば韓国政府からコメと肥料をもらうことができるし、韓国国民はハンナラ党離れを進めると判断したのだろう。
 もしそうであるならば、北朝鮮は大きく見誤ったと言える。韓国からの支援は暫定的に中止され、ハンナラ党は総選挙に圧勝する勢いだ。
 北朝鮮の予想に反し、李明博政権が原則的対応に出た背景は何だろうか。
 非核・開放・3000構想(北朝鮮が核放棄を進めて国際社会との交流を行えば、住民の年間所得を3000ドル程度にひきあげるというもの)や「北朝鮮の体制保障」、「北朝鮮の主権尊重」などの発言から、李明博大統領も「親北政権よりも親北政策」と見られていたのは事実だ。
 注目すべきは李明博政権の「実用主義」だ。
 新政権のいう実用主義とは、「親北」でも「反北」でもない中道的政治思想を指している。金泰栄・合同参謀議長の「先制攻撃」発言に対しても特別に批判する理由はないということになる。
 実用主義の中身はようするに「実利主義」なのだろう。李明博大統領
は、北朝鮮が西海海上でミサイル発射など軍事的挑発まで行うと、「しめた!」と思ったのか。原則的対応をすることで「得票」に繋がると判断をした可能性が高い。実際、有権者はそうした李政権に応援メッセージを送っている。
 しかし、新政府の“原則的立場”が総選挙後も続くかは未知数だ。
 李明博大統領の対北政策プランナーたちの対北観は曖昧だし、大統領のブレーンの中には親北派が多い。「親北回帰」の可能性は残されている。
 米朝協議で、米国は核リストが完全であることを示してくれればいいと北朝鮮側に伝えている。つまり、体裁づくりだ。何らかの合意に至った場合、中国はすぐにでも6カ国協議を招集し、米朝間の合意を追認する手続きに入るだろう。テロ支援国家リストからの除外が直ちに行われるだろう。
 米国の対北外交のらち外にいるわけでない李政権は、これを受けて「核放棄」と受け止め、洪水のような対北支援をそれこそ、前政権以上に再開するかもしれない。
 米国は北朝鮮の核リスト申告に対する対価として50万トン規模の対北コメ支援を示唆している。

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