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2008年4月16日発行
 
中朝貿易 元で決済
 


2国間で国際通貨扱い

 中国は今年に入り、北朝鮮との経済取引を人民元で決済するとの立場を取っているようだ。韓銀北京事務所が11日に明らかにした。それによると、国境貿易活性化のため中国の地方政府会議が2月に開かれた。韓銀は、中朝間の元による貿易決済については未確認としているが、6日付の日経新聞は、中国人民銀行や外貨管理局が新規定をまとめ、遼寧省や吉林省の金融機関に通知したと伝えた。元が国際通貨として扱われているのは、カザフスタン、キルギスタン、モンゴルなど、中国と国境を接する国々との2国間貿易に限られている。ドルの調達が難しいこれらの国の企業では、人民元は大事な通貨となっている。  


外貨乏しい企業に便利

2国間に使われる元
 新しい決済制度では、中国と貿易関係を持つ北朝鮮企業に、人民元建ての専用口座を中国内に開設させ、中国企業との取引に使わせることになっているという。朝中貿易は03年から漸増傾向を示しており、昨年は20億ドルに達した。円滑な貿易を図るため双方が踏み切ったと見られる。
 「朝中貿易は、昔は国家間のバーター取引だった。中国が先に市場主義に移行した」
 国際貿易促進協会の片寄浩紀専務理事は言う。援助から商業ベースの取引に変わりつつあるということだ。
 為替変動リスクや通貨投機を避けるため、人民元は今も、貿易決済通貨とはなっておらず、持ち出し禁止の扱いを受けているが、アジア経済研究所の中川雅彦研究員は、「元自体が、北朝鮮で兌換性を持っていることは知られている」と指摘する。
 吉林省では「金日成紙幣」が流通する一方、北朝鮮では小規模に人民元が日常で流通する。平壌でもドル、ユーロと並んで人民元が外貨ショップで使われている。
 「貿易では使わないことになっている元も、周辺国との貿易では使われている状況だ。中朝間でも元による決済を、北朝鮮側が要請したのでないか」と片寄専務理事は見ている。

北朝鮮企業に好都合
 「今回の措置は元の口座で決済するだけの話です」
 中川研究員は、新決済制度の効果については疑問視している。
 「もともと貿易規模が大きくないところに、日本の制裁が加わってドルも使い勝手が悪い。ただ、元決済ができ、決済方法が増えれば選択肢が増えるのは都合がいい。ドルかユーロを使っていたものを元でもいい、となった程度ではないか。中国専用に使うには便利だろう。しかし、それを実施したからといってそれほど大きな効果はないだろう」
 北朝鮮のウォンは無価値。決済に何を使うかより、北の輸出がうまくいくかが問題、というのが中川研究員の診断だ。

中国でドルに替える
 元決済を認められる北朝鮮企業は、輸出で稼いだ元をドルやユーロなど他の通貨に替えることができ、送金も可能だという。
 北朝鮮の貿易は元建ての比重が最も大きく、中国で多くそれをドルに交換している。唯一、合法的な外貨獲得ルートなのだが、その規模は不明だ。ドルへの交換は闇ドルで行われるとも言われる。
 韓銀東京事務所の゙君鉉次長は「北企業に元決済が認められるならば、06年7月のミサイル発射と同年10月の核実験を機に受けた中国の制裁が解除されることになる」と言う。
 「中国の制裁は核関連の制裁でない」中川研究員は違う見解を示す。片寄専務理事も、BDA(バンコデルタアジア)と中国銀行を舞台にしたマネーロンダリングの再発防止に確証が得られたことの証左との見方だ。



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