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2008年3月12日発行
 
米 民主党の憂鬱「本選まで続けば・・・」
ワシントン 金暎勲
 

 

米大統領選 オバマ ヒラリー デッドヒート

 ヒラリーかオバマか。民主党のデッドヒートは夏の党大会まで続くのは確実となった。
 共和党は、ジョン・マケインが過半数の代議員を獲得し、全党大会での指名を確実にした。共和党はすでに本選での対民主党戦略を練り始めている。
 民主党内では、大物たちが両候補の予備選でのヒートアップを気にしはじめた。本選直前まで党の二分化状態が続くのを恐れているのだ。
 獲得した代議員の数はオバマ1527人、ヒラリー1428人。差はわずか99人だ。今後の予備選でどちらか一方の候補が六割の票を獲得し続けたとしても、指名獲得となる2025票には届かない。
 接戦が続き、ここにきて注目されているのが「スーパー代議員」(特別代議員)だ。各州の党大会や予備選の結果によって各候補に振り分けられる通常の代議員票とは異なり、彼らは自らの意思で投票できる。
 スーパー代議員796人のうち、242人はヒラリー、210人はオバマ支持を決めている。残る340人あまりのスーパー代議員がどう動くか、関心は日に日に高まっている。
 さらに、投票が無効とされ、代議員の党大会派遣が認められなかったミシガン、フロリダ両州で再選挙を行う動きも見られる。ミシガンもフロリダも大票田だ。無効となった両州の予備選で勝利しているヒラリーには追い風となるかもしれない。
 民主党全国委員長のハワード・ディーンは再選挙には1000万ドルの費用がかかることから、実施には消極的だ。しかし、ヒラリー、オバマ両陣営や両州の知事は再選挙を求めており、実施される可能性は高い。
 「ヒラリーの復活」と呼ばれたテキサス、オハイオ、ロードアイランド州でのヒラリーの勝利は、彼女の陣営の選挙戦略の修正によるところが大きい。
 夫であるクリントン元大統領の2度の選挙や、自身の上院選などで得た経験だけではオバマに勝てないと感じたヒラリー陣営は、いわば「クリントン式焦土作戦」(ClintonianScorched‐earthStrategy)と「総全滅作戦」(TotalAnnihilationStrategy)を用いていると専門家は指摘する。
 オバマ陣営の息切れ感も否めない。「チェンジ」(変化)と「ホープ」(希望)を叫び続け、特に若者を熱狂させたが、時間の経過とともに「本当に変えられるのか」という疑問を人々に与えはじめている。人々は、政治家としての経験に乏しいオバマは米国を引っ張っていくに足る人物なのかと、思いはじめているのだ。
 イラクからの即時撤兵を主張することで、「テロリストに降伏することは許されない」という一般的な米国人の思考との乖離も生まれつつある。そのようすを見たマケインは、すかさず「テロリストたちはオバマのために道でダンスを踊るだろう」と揶揄した。
 オバマ陣営の公約はいまだ定まっていない。「経験不足」を不安視する声は日増しに強まっている。
 最近ではヒラリー陣営から「演説文剽窃疑惑」を指摘されたが、疑惑はそれだけではない。「恐喝・資金洗浄などの容疑で逮捕・起訴されたトニー・レスコから資金を得ていた」とか、「2003年からの3年間で26回もシリア(レスコの出身地)を訪問している」とかという記事が載るようになった。オバマ人気に陰りが見えはじめているのは事実だ。
 興味深いことは、人種間の葛藤をなくそうというオバマの訴えに対し、「むしろ人種問題を再燃させたいのではないか」と非難する人々が増えている。
 民主党を二分するほどの激しい予備選は、皮肉にも共和党を利している。
 9日、ヒラリー陣営からオバマ陣営に“和解”の申し込みがあった。オバマ陣営は「そのようなことはありえない」と一蹴したのだが…。

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