| 支払われない著作権料
韓日の文化交流が盛んになるなかで、知的財産権に関わるトラブルが目立ちはじめている。トラブルのほとんどは、韓国側の知的財産権に対する意識の低さから生じていると言っていい。小規模の業者が著作物や映像物の海賊版を販売するといったたぐいのものではなく、人気歌手を抱える芸能事務所が元凶となる場合もある。あまりのトラブルの多さに、韓国企業との取引をためらう日本の業者は少なくないという。(溝口恭平)
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崔和博さんがヒットエンターテインメントと交わした契約書 |
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問われる韓国側の意識
在日韓国人作曲家の崔和傳さんが韓国の芸能プロダクション「ビタミンエンターテインメント」に楽曲「流漂人〜タビビト」を提供したのは2006年12月だった。「流漂人」は「M.C The Max」という韓国のアイドルグループのアルバム「リターンズ パート2」に「ヌンムル」というタイトルで収録された。アルバムが発売されたのは昨年5月22日。数カ月にわたって売り上げランキングの上位に入った。
作曲者としてビタミンエンターテインメントと契約を結んでいた崔さんは、契約内容に則ってビタミン側から06年7月15日に最初の対価を受け取る予定だった。しかし、崔さんへの入金はなかった。
ビタミンエンターテインメントは昨年九月五日、ワーナーミュージックコリアに買収された。ビタミン側は崔さんに子会社「ビットエンターテインメント」を作ったと主張し、ビットとの再契約を結ばせた。それでもビット側から崔さんへの支払いはなく、担当者に連絡しても明確な回答を得られずに、はぐらかされているという。
崔さんは「すぐ手続きをすると言いながら、何カ月も待たせるとは」と憤慨している。
「亡き父の国、母国である韓国に貢献したいという気持ちもあって引き受けたが、そんな目に遭うとは。韓国の知的財産権に対する認識は国際社会の常識から大きく外れている」
最初に崔さんをビタミンに紹介した日本の業者も「もう韓国とは仕事ができない。韓国はまだまだダメだ」とこぼしている。日本の別の大手レコード会社からも、懸念の声が漏れている。
崔さんのようなトラブルに巻き込まれたことはないという人もいる。韓国人歌手「SE7EN」の曲を作詞した経験を持つリナ・ムーンさんだ。SE7ENの日本側窓口と契約しているため、万一トラブルが発生しても迅速に対処できる態勢は整っている。
音楽関係の著作権を管理する社団法人「JASRAC」は1月23日、韓国音楽著作権協会「KOMCA」とのパートナーシップ共同声明に調印した。これにより、両団体に登録した作詞・作曲家は、両団体を通じて金銭の授受を行えるようになった。
それでも崔さんのように、トラブルに巻き込まれる人は後を絶たないのは事実だ。
「この業界は狭いから話はすぐ回る」
崔さんは警告する。韓国の著作権に対する意識の低さはすでに日本国内で知られている。信頼回復への道はかなり遠い。
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