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2008年3月5日発行
 
韓国社会を読む 価格高騰「国民食」
 

買いだめの列 途切れず・・・
庶民の胃袋支えた「麺」

 チャジャンミョン(日本のジャージャーメンに似ている)と即席ラーメンは、韓国人のランチや軽食の定番メニューだ。あまりの人気に、政府は「物価管理対象食品」に指定している。

お年寄りにチャジャンミョンをふるまう中華料理店の店主たち

 ところが、最近の国際的な小麦価格の高騰で、チャジャンミョンと即席ラーメンが値上がりしはじめた。大手ディスカウントストアなどでは、インスタント麺を買いだめする人の列が絶えない。
 チャジャンミョンの元は中国のチャージャーメンで、即席ラーメンは日本から始まった。
 ようするにチャジャンミョンは「韓国式中国料理」だ。100年前、仁川に定住した華僑が中国の伝統的調味料で、黒豆を発酵させて作るチュンジャンとカラメルシロップで作ったソースを麺にかけて販売したのが始まりといわれる。
 即席ラーメンは日本のものを真似て作った。2つの食べ物は今や「国民食」と呼べるまでに成長したが、これが、韓国人の常食となるようになったのは、1960年代の初め、4人に3人はまともな食事ができなかったという、貧しい時代だ。
 1人当たりの国民所得が80ドルに満たなかった当時、庶民の代表食といえば米軍の食糧支援物資を水で溶かして沸かした「クルクル粥」や、韓国風の味噌汁ベースの「すいとん」だった。「クルクル」とは韓国語で豚の鳴き声のことだ。
 政府は当時、食糧難対策として「粉食(小麦粉を使った食べ物)奨励政策」を出した。米国の主要援助物資が小麦粉だというところに目をつけた。チャジャンミョンとラーメンが飛ぶように売れるきっかけでもあった。
 1963年に誕生した三養ラーメンは、発売開始から6年間で売り上げ300倍という驚異的な成長を遂げた。
 ラーメンは1杯10ウォン、チャジャンミョンは15ウォン。当時としても破格の安さだった。
 人気の秘密は、何といってもコメの代用食になったという点にある。市場規模が大きいので、メーカーは安く売ることができた。価格抑制のため、政府がサポートするということもあった。2つの食べ物はコメ不足の時代が終わってからも庶民の味として残った。
 しかし、半世紀続いた人気は近いうちになくなるかもしれない。7、80年代の高度成長期を経て、麺料理は“高級品”になりつつある。主材料である小麦粉と食用油の価格が、日に日に上昇している。
 国際穀物価格の急騰により、最近3カ月で小麦価格は40〜50%上昇した。ソウル市内のラーメンの価格は現在、2500〜3000ウォン、チャジャンミョンは約4000ウォンだ。この価格上昇は、IMF外為危機を連想させる。当時約1500ウォンだったラーメンと、約2500ウォンだったチャジャンミョンの価格は、IMF危機の1年後にはそれぞれ500ウォン以上値上がりした。
 50年代前半、国の食糧政策に携わった元政府職員はため息をつく。
 「私が高校に通っていた時ですら、食糧自給率が60%だと心配したものだ。今は28%にもならない。チャジャンミョンとラーメンの値段が高騰しているのも、小麦粉を全量輸入に頼っているからではないか」
 昼休み、キムチチゲより高いチャジャンミョンを食べる人を見て、「豪勢だね」という声が聞かれる時代になった。

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