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2008年3月5日発行
 
北朝鮮 「通米封南」の一手
 
Nフィル公演OK、南北サッカーNO

 2月26日、ニューヨーク・フィルハーモニックが平壌で公演を行った。半世紀以上にわたる敵国「米帝」を代表する交響楽団の公演を、平壌は歓待した。舞台には星条旗が掲げられ、米国歌「星条旗」の演奏も許された。公演の様子は、北朝鮮のテレビ局などによって国内外に中継された。
 韓国メディアは、「北朝鮮の核問題解決に向け、ニューヨーク・フィルが希望の信号弾を打ち上げた」などと、ニューヨーク・フィルの平壌公演をおおむね好意的に報じた。
 一方、3月26日に平壌で予定されているサッカーワールドカップのアジア第3次予選「韓国‐北朝鮮戦」は、中国で開かれる可能性が高まっている。試合前の国歌演奏で、韓国国歌が演奏されることに北朝鮮が拒否感をあらわにしているためだ。さらに北朝鮮は、韓国国旗の掲揚を許さないという立場を崩そうとしていない。
 北朝鮮は2月25日、中国外務省に「(試合が)第三国開催になった場合、中国の競技場を使用することは可能か」と尋ねたといわれる。国際サッカー連盟や、相手国である韓国には知らせずに、北朝鮮が勝手にとった行動だった。
 韓国メディアはたいした批判もせずに、試合は中国開催になりそうだと報じるにとどまった。
 諸手を上げて米国の公演を歓待する一方で、北朝鮮は彼らの言う「同じ民族」との試合を、国旗・国歌を理由に拒否しようとしている。マスコミや韓国サッカー協会は、試合開催地の変更を勝手に進めようとしている北朝鮮の行動に対し、抗議も何もしていない。
 米国を歓待する裏で韓国を無視する北朝鮮。軍事・外交面で北朝鮮が時折見せてきた「通米封南」戦略を想起させる。米国とは対話するが、韓国とは対話しないという姿勢で、六カ国協議で北朝鮮がとっている戦術そのものだ。
 ニューヨーク・フィルの公演とサッカーの試合拒否は、「通米封南戦略」の文化版にすぎない。日本や韓国のマスコミのいうような“ピンポン外交”といったシロモノではない。

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