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政治
2008年3月5日発行
 
傷ついた青瓦台 スタート直後に波乱
 

李明博新政権

 発足したばかりだというのに、新政権は波乱に見舞われている。閣僚内定者のうち、南柱洪統一部長官候補ら3人が相次いで入閣を辞退した。閣僚未定のままの新政権のスタート。前代未聞だ。閣僚会議は定数を満たせぬまま、前政権の長官3人が代理で参加した。前政権と新政権の閣僚が“同居”するという異例の事態だ。国会で多数を占める野党は、大統領府高官の辞職も求めていて、勢いづいている。(ソウル・李民皓、東京・崔世一)


長官候補3人が辞退

 李明博大統領は、今のところ新政権発足の“ご祝儀効果”で高い支持率を保っているものの、80%台半ばあった支持率はここ数週間で70%台まで落ちている。
 原因の一つが人事の拙劣さにあると言える。李大統領は「実用主義を実践できる能力ある人を選んだ」と、新内閣の人事を誇らしげに発表した。その直後、15人の長官候補のうち、3人が人事聴聞会に臨むことなく就任を辞退した。
 3人は、共に不動産問題で不正疑惑をもたれている。新大統領は、内定者の能力を重視するあまり、長官職に就かせるべき適性や経歴などをどこまで慎重に検討したのか疑問を向けられても仕方がないところだ。
 「女性家族部」の新長官に内定していた李春鎬・韓国自由総連盟副総裁は、全国に46カ所の不動産を持っている。新設される環境部長官に内定していた朴銀瓊・女性環境連帯代表は、農業専用地として地元住民以外の購入が制限されている「絶対農地」1300坪を含む7カ所以上の不動産を所有している。これらの不動産のほとんど、もしくは一部は、不正に入手された可能性があると疑われている。統一部長官に内定していた南柱洪・京畿大学教授も野党から土地投機に関する疑惑を指摘された。
 不法行為に明白な事実があるかどうかは確認されなかったものの、国民の目に疑惑は晴れていない。野党の大統合民主新党は、「3人も辞退したのは、政権の道徳性に問題がある証拠だ。国民に謝罪すべきだ」と、李明博大統領に迫っている。そうした状況で、ハンナラ党内でも「人事に問題があった」との批判が起こるようになった。
 長官職に内定していた3人は、自ら就任を辞退したことになっている。実際は、ハンナラ党が李大統領に3人の人事について再考を促し、結局、青瓦台が3人に辞退するよう勧告したというのが真相のようだ。
 ハンナラ党のある中堅議員は「金大中政権、盧武鉉政権の10年間、政府の中枢に親北派がかなり配置されていた。彼らの影響は在野の専門家たちにも及んでいて、新政権の人選は難しかったと思う」と、李大統領の苦衷を推し量った。
 だが、大統領引き継ぎ委員会関係者らは、15人の長官候補者は5000人以上の人材を吟味した上で決定したと自信ありげにいう。ハンナラ党の言い分には矛盾が多い。
 昨年の大統領選挙期間中、李大統領は旧与党勢力から“道徳性”に問題があると攻撃されたことがある。その時は何とか乗り切った。政権を担うことになった今の立場では今回の人事問題でそう簡単に言い逃れできないのではないかと、国民の目は冷ややかだ。

 

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