| 「未来へのインフラプロジェクト」
「時代遅れ ただの大規模土木工事」
李明博次期大統領の公約の一つである「朝鮮半島大運河」の構想が物議をかもしている。経済的に有益であるか、環境に問題はないかをめぐって識者たちの賛否が入り乱れている。賛成する側は、半島という地政学的な限界を乗り越えるための「未来国家インフラプロジェクト」だと言い、一方は、60〜70年代の時代遅れの計画経済にすぎないとし、ただの大規模土木工事に終わると反対している。(ソウル・李民皓)
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ドイツ・デュースブルクのライン川沿いの運河がお手本・・・ |
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李明博氏は、ドイツ・デュースブルクのライン川沿いにある運河を見て感嘆したという。これは朴正煕元大統領がドイツのアウトバーンに魅せられたのとよく似ている。1960年代初め、ドイツに立ち寄った朴正煕氏は制限速度のない「アウトバーン」と周辺の森を見て「我が国でも高速道路沿いの山に緑の木々をたくさん植えたい」と語った。
李明博氏は著書でこう述べている。
「漢江と洛東江を連結すれば航路が生まれる。デュースブルクのような巨大な港湾都市を作ることができる。中心になるのは大邱だ。大邱が河港都市になれば港湾で貨物を積んですぐ輸出できるようになる。考えただけでも楽しみだ」(『李明博の揺るがぬ約束』)
李明博氏の側近たちの動きは早かった。昨年12月には、朝鮮半島大運河の核心となるソウル―釜山間の「京釜運河基本設計」が完成。「大統領職業務引き継ぎ委員会」の国際競争力強化特別委員会傘下、朝鮮半島大運河チームは、設計図を基に運河プロジェクトにとりかかっている。チームの指揮を執るのは張錫孝・前ソウル副市長だ。シンクタンクの動きは機敏といえる。
引き継ぎ委員会によれば、大統領選挙期間中、ドイツとオランダ、中東などの外国資本が大運河に投資する意向を明らかにした。引き継ぎ委員会は現代建設や大宇建設など、国内の建設大手五社との接触をすでに終えている。中小企業とともにコンソーシアム(共同事業体)を構成する案もすでに出ている。
李明博氏の側は、朝鮮半島大運河は本当に必要で収益性も大きいと信じている。
次期政権秘書室のチュ・ブギル政策企画チーム長は、『週刊東亜』のインタビューで「清渓川事業のときに周辺の商人に4200回も会って説得したように、国民を説得する覚悟だ」と述べた。チュ氏によると、ソウル―釜山間の物流が韓国経済に占める割合は70%。特定区間への比重がここまで大きいのは世界的に類例がない。運河ができれば物流だけで見ても他地域の収益になるという主張だ。
国民所得3万ドル達成のためにも運河は必要というのが賛成派の訴えだ。さらに運河はヨットやボートなどの観光レジャー資源にもなり、建設業界成長の原動力にもなるという。
反対派はこれに対して、環境破壊を懸念し、収益性をも疑問視している。
マスコミ各社の世論調査では、国民の40%が「反対」している。
大統領選の予備選の時から、李明博氏は運河構想を掲げていた。しかし、予備選後は、運河についてさほど言及しなくなった。他候補が反対するなか、「一人で運河建設を主張している」と見られることを避ける狙いがあったようだ。
李明博支持者のなかにも運河の収益性について疑問を抱く人は少なくない。一部の支持者は「コンヤク(公約)はコンヤク(空約)。もう一度原点に立って見直さなければならない」と要求している。
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国民の40%が「反対」 |
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くすぶっていた反対論は、最近行動をともなって頭をもたげはじめた。
ソウル大教授約70人が「運河建設反対運動」を行ったのに続き、環境団体とハンナラ党以外の政党が反対の立場を明らかにしている。
「単なる土木建設をまるで未来のビジョンを語るように持ち上げるのはアナクロニズム(時代錯誤)だ。無理やり河川を連結すれば環境破壊も起きる。既存の橋梁の撤去費と施設の維持管理費などを合わせれば、建設費も引き継ぎ委員会の試算よりも多い40〜50兆ウォンになる。経済性ははなはだ疑問だ」(李会昌自由新党〈仮〉代表)
反対派は、運河は広い国土を持つ国でこそ意味があるが、3方を海で囲まれている狭い朝鮮半島では無意味と主張している。
物流費の節減効果に対する反論もある。ソウルから釜山まで高速道路で4時間。それより時間がかかる水路でコンテナや大型貨物を運ぶのは無駄が多い。
相次ぐ反対意見に、次期政府は日程を再調整するはめとなった。
大運河計画を進めている張錫孝・前ソウル副市長のチームは当初、25日の大統領就任式前に公聴会を開き、環境団体と環境探査をする予定だった。公聴会は、国民世論を意識してか、新政府発足後に延期された。本格的な論議は、4月の総選挙後に行われることになりそうだ。
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