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2008年2月27日発行版
 
韓国社会を読む “貴族手術”
 

「一般患者 お断り」 「カネ」に走る整形外科医

 「医者に行くくらいなら薬剤師に診てもらいたい」
 首都圏に暮らす金さん(主婦)がもらす。
 「子どもの指にできたできもの1つを治すのも大変。皮膚科に行っても『もっと大きい病院に行きなさい』といわれるのが関の山。お医者さんは治療方法の説明もせずほかの病院に行けとしか言わない」

ただ今、手術中

 皮膚科を追い出されるように出た金さんは、薬局に向かった。薬剤師に治療法を相談し、薬を処方してもらった。
 ソウル・江南区に住む主婦の朴さんは、額に傷を負った5歳の娘を連れて病院を訪ねたが門前払いにあった。行く先々で診療を断られ、近所の形成外科をたらいまわしにされた。「予約が入っていない」「美容整形専門だから」といった理由で、受け付けすらしてもらえなかった。
 朴さんは「1ブロックごとに外科医院が並ぶこの地区で、なぜたらいまわしにされるのか、理解できない。病院の看板を下ろすべきだ」と憤る。
 皮膚科形成外科の患者受け入れ拒否は深刻だ。一般患者は診察を拒否されることが少なくない。
 高所得を得る医者にとって一般診療は“小遣い稼ぎ”程度にしかならない。一度の診察は五分程度。診療費は数万ウォンにもなる。それでも“小遣い”にしかならないのには理由がある。美容整形手術のほうが儲かるからだ。
 まぶたを二重にする手術は100〜200万ウォン、皮膚の美容整形手術は5回で100万ウォン。通常の外科手術はばかばかしく思えてくるのだろう。

 整形外科医は金儲けに血眼になっている。行き過ぎた市場主義があってはならない医療の現場で、最前線に立つ医師の態度にはあいた口がふさがらない。
 人々は韓国の美容整形外科を“貴族手術”とヤユするが、人気は下がらず、医院はにぎわっている。
 眉間と鼻の付け根を高くする“貴族手術”は、現在韓国でもっとも人気が高い。比較的簡単な手術だが、費用は500〜800万ウォンにもなる。
 “貴族手術”を受けるために相談を持ちかける来院者に、病院が「整形金融」と呼ばれる不法金融業社を斡旋することも問題になりつつある。
 国民健康保険公団の「年間診療費請求実績」によると、昨年ソウル市内の中規模整形外科医院315カ所のうち、健康保険の請求がない医院は93%に上った。この93%は、健康保険の適用外となる美容整形手術のみを行っていた可能性が非常に高い。
 健康保険の適用額が年間5000万ウォンに満たない皮膚科も、全体の30%に迫った。「皮膚マッサージ」や、医院で販売している化粧品の売り上げが主な収入源になっているのは明らかだ。
 「医者に行くより薬局で相談して薬を処方してもらうほうがいい」という一般人の訴えは、決して、大袈裟ではないのだ。

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