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2008年2月6日発行版
 
韓国社会を読む 羅勲児 怒りの記者会見
 


「ペンが私を殺した」 芸歴40年の真骨頂
株を上げた大スター

 韓国の有名歌手・羅勲児(ナフナ:本名・崔弘基=61)が1月25日、記者会見を開いた。自身にまつわる噂について説明するためだ。
 韓国テレビ史上初の芸能人会見の生中継だった。600人の記者が会見場となったホテルの大ホールを埋めた。1時間におよぶ会見を行った羅勲児は、集まった記者の質問を受け付けず、記者たちに怒りをぶつけるかのように一方的に話した。

韓国では火のないところでも煙が立つ」 マスコミを正面切って非難

 噂は一つや二つではなかった。
 「仲間の芸能人の妻と不倫関係にあった」、「重病にかかって釜山の病院に密かに入院した」、「大物女性芸能人と恋愛関係にある」、「やくざに性器を切断された」…。
 芸能人が噂について釈明会見を行う場合、涙を流しながら悔しいと訴えるのが、韓国では普通だ。
 羅勲児の会見は異例だった。
 「あなたたちがペンで私を殺した」
 一時間にわたり、羅勲児は記者を叱りつけた。
 芸能人の妻との不倫については、「私が他人の妻と不倫をしたというなら、私は皆さんが家で育てている犬畜生と同じだ」と、汚い言葉で記者をののしった。
 性器切断の噂については「今から皆さんが願うとおりにする」とベルトを外し、ズボンのファスナーを下ろすしぐさを見せた。
 キム・ヘス、キム・ソナなど、自分とうわさされた女性芸能人には「可哀相な2人はまだ結婚もしていない。それ(噂)は人を殺すに等しいことだというのがなぜ分からないのか」と記者に問い詰め、噂された相手を気遣う姿勢を見せた。
 ためらうことなく記者を叱りつけるだけの会見だったが、ショーとしては見ごたえ十分だった。
 凍りついた会見場の雰囲気を、時折ユーモアと笑顔を交えながら解きほぐす姿は、芸歴40年の凄みを感じさせた。

 羅勲児の会見は、通常の釈明会見と手法を変えることによって、羅勲児自身の株を上げることになった。
 週刊誌「中央サンデー」は1月27日付で、会見を次のように評価した。
 「羅勲児は『過ぎ去った名歌手』ではなく、21世紀にも生きている大スターであることが明らかになった。還暦にもかかわらず、女盛りの美女スターと浮名を流す主人公になれる、おそらく韓国で唯一の男性芸能人だということを立証した。彼は『あなたたちがペンで私を殺した』と言ったが、噂は結果的に、彼がどれほど重要な人物なのかを大衆に知らしめるものになった」
 マスコミを叱りつける人物といえば、盧武鉉大統領だった。
 盧大統領は政府各部署にあった記者室を閉鎖するなど、マスコミとひんぱんに衝突しが、政権交替によって、政府とマスコミの関係は以前のような形に戻るのは確実視されている。記者室も再び設置される方針だ。
 羅勲児の会見は、不倫などの疑惑を百パーセント払拭できるものではなかったが、噂の半数以上は捏造であることを明らかにした。
 「韓国では火のないところでも煙が立つ」と、マスコミを公に非難をした芸能人は、羅勲児が初めてだった。
 ニュース専門のケーブル放送YTNは、羅勲児の会見を生中継した。芸能人の会見が生中継されたのも、韓国史上初の試みだった。
 羅勲児は徹底した神秘主義戦略を用いてきた芸能人だ。テレビに出るのは1年に1回あるかないか。大統領よりもインタビューを取るのが難しいとまで言われた。
 目立った活動も人との接触もほとんどないため、当然情報量は不足する。しかし、衝撃的で刺激的な記事が次から次へと出た。
 芸能マスコミ記者が羅勲児を芸能界の英雄に仕立て上げたといえよう。

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