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2008年2月20日発行版
 
団員の問い合わせ殺到 民団中央 本紙に抗議
 


処分減免問題

 民団の「処分減免」問題を報じた本紙記事(6日付)について、民団中央本部執行部は「事実とかけ離れた誤報」であるとして本紙に抗議してきた。
 また、本紙記事で、民団中央本部に問い合わせが殺到したという。中央組織局の話だ。
 組織局によると、記事が出た2日後の8日、各地方の民団から問い合わせ電話が相次いだ。朴相泓局長は「一日中電話がかかりっぱなし」の状態だったという。中央委員会を15日に控えている折、民団で処分問題が本当に検討されたのかという団員たちの声だった。
 一方で、中央本部には、被処分者の減免を要請する声が、地方本部団長らから個人的に寄せられたともいう(民団関係者)。
 15日開かれた民団中央委員会では、処分解除問題をめぐり中央委員と中央3機関との間で質疑応答があった。
 財政処理問題で警告を受けた金宰淑氏を常任顧問に推す動議が鄭進団長から出され、山口県本部の李相福団長が「処分減免」の発言を求めた。
 李山口本部団長は、金宰淑氏を常任顧問に推す案に賛意を示す一方で、「大統領も替わるし、除名・停権処分を受けた人々を復権させ、新しい民団をつくるべきだ」と提案し、さらに洪純一直選中央委員(大阪)が「提案を検討してほしい」として賛意を示した。
 議場からは「新大統領就任と処分解除は問題が違う」と反発の声が上がった。呉龍浩監察委員が、たまりかねたように、「(解除問題を)論議する段階でない」とクギを刺す一幕もあった。納得できないように顧問の一人は議長に発言を求めたが、議長は拒否した。
 処分減免をはかるべきとする声が、中央委員の一部にくすぶっているのは確かなようだ。

 

「あなたを除名する」 民団幹部が本紙記者に

 民団は、15日韓国中央会館で開いた第62回中央委員会で、地方参政権獲得運動を第一とする今年度活動方針を採択した。中央委員会には定員205人、在籍200人中、157人が出席した。
 鄭進団長は「昨年は5・17を克服し組織の信頼回復に全力を集中した。そのなかで補助金分割問題は組織を弱体化させかねない重大な問題だったが民団は奮起した」と述べ、「地方参政権獲得運動もまさに正念場。合わせて同胞経済の活性化に向け、今年は昨年以上に多忙となるだろう」と一致団結を訴えた。
 主要方針は、地方参政権獲得運動のほか、組織強化のための運動、朝鮮半島非核化を実現するための運動など。
 組織強化の試みとして、前半期に全国の支団長交流会を開いて、支部の課題、経験、情報交換を行う。「支団長たちが本音で語れるように工夫したい」(組織分科委員会)と全団で取り組む。
 同胞生活への支援では、生活の本拠の在る日本に戻る永住韓国人に対しては再入国許可制度の適用除外を求める。指紋採取を義務付ける入国審査制度にも一般永住者、定住者に適用除外の拡大を求める方針。


民団中央から本紙への抗議文

 「処分減免」を検討する民団中央の動きを報じた本紙の6日付記事に対し、民団中央は「事実無根」として、8日付で本紙に抗議文を送付してきた。抗議文の全文は以下の通り。

 貴社の2月6日付け記事は、事実とあまりにもかけ離れた誤報であり、なお個人の名誉をも傷つける結果となったことに対して誠に遺憾の意を表する。今回の事実とまったく異なる記事は内外に大きな波紋を及ぼし、なお同胞社会を不安に陥れている。貴社もご存知の通り、鄭進執行部は発足以来、5・17事態によって失墜した民団の信頼回復、そして組織団結のために全力を尽くしてきた。今回の記事は、その間の鄭進執行部の努力に冷や水を浴びさせる結果となった。
 誤報を掲載したことについては、貴社の次号(2月12日付)の新聞で公式謝罪文を掲載し、以下の事項に関する明確の物証を2月13日まで提示することを強く要請する。なお、明確な物証を期日までに提示しない場合は、適切な処置を取らざるを得ない。

1、「1月25日…中央3機関・顧問合同会議が開かれ…執行部(鄭進団長)から、河丙ト前団長の処分解除を中央委員会で諮ることが提案された」「複数の顧問が強く推したようだ」とあるが、1月25日にこの「合同会議」が開かれた事実はない。したがって、「提案」も「強く推した」事実もあり得ない。
2、しかも同「提案」について、「複数の顧問が強く推した」とした後、今度は「処分解除を中央委員会に諮るという動議は鄭進団長自身から出された」と言い、次いで「団長は、河丙ト氏と郭東儀氏の名前こそ出さなかったが、処分の早期解除、減免を諮ろうとしたのは事実だ」と、匿名者の「コメント」を付記した。「提案」あるいは「推した」のは「複数の顧問」なのか、「団長」なのか。また、「名前こそ出さなかった」状況、つまり処分解除の対象者を特定しない状況で、いかに「動議」が可能なのか。当該記事には甚だしい自家撞着と混乱がある。
3、さらに鄭進団長は「実際には、監察委員には、処分解除案を上程したいと漏らしている」とあるが、鄭進団長がそう述べた事実もなければ、それを聞いた「監察委員」も存在しない。
 鄭進執行部は発足以来、5・17事態の後遺症を克服し、組織の活性化と団結に心血を注いできた。執行部が同事態の直接責任者である河丙ト氏および重要関与者である郭東儀氏の復権を中央委員会で上程しようとした事実は一切ないことを再度明確にする。

 2008年2月8日
在日本大韓民国民団中央本部 宣伝局長 「哲恩


本紙から民団中央への回答文

 民団が、除名を含む被処分者たちに対して「減免」措置を取るのではないかという問題は、遅くとも昨年12月頃には、各地で取り沙汰されていました。
 同胞団体の送年会などで、「新政権発足を期に処分者減免をさせようという動きがある。韓国でも恩赦があって在日社会でも恩赦ということがあっていいのでないか」という話を聞いた人々から、事態を憂慮する声が本紙に寄せられていました。
 被処分者減免の問題は、韓国の新政権発足を前に、すでに同胞社会の関心事の一つになっていました。
 今年1月に入り、民団東京・豊島支部の広報紙で、公然と『河前団長の除名処分撤回と名誉回復を望む』という記事が掲載されました。これに端を発して「民団中央本部でもこの問題が検討されるだろう。早く手を打たなければ、民団はまた大混乱に陥る」などと、各方面からの意見を本紙は聞くようになりました。本紙はもはや看過すべきでないとの判断に立ちました。
 水面下の動きが表面化し始めていたのです。そのような時期に、仮に非公開であったにせよ、被処分者減免に関する話し合いが、民団中央本部でもたれたこと自体、首を傾げざるを得ないことです。朝鮮総連と韓統連が5・17共同声明を正当化し、さらに、その関係者を民団が処分したことを不当であると公式、非公式に訴えていることは、ご存知のことと思います。「5・17」事態を招いた人々にはもっと反省を求める時期ではないのかというのが、本紙に寄せられた大方の意見であります。
 2月6日付の本紙記事は、こうした状況下で取材を行い、記事化したものであります。にもかかわらず、本紙に向けられた民団中央本部宣伝局長名義の「抗議文」は、民団中央本部で被処分者減免に関する話し合いはいっさいもたれていなかったかのごとく主張しております。 
 よって、貴職の8日付の抗議文に対して、本紙は次のように回答いたします。

 抗議文にある「記1」について。
 本紙は、2月6日付の1面トップ記事で「1月25日、…民団中央3機関・顧問合同会議が開かれた」と報じました。これについて、「抗議文」は「1月25日に合同会議など開かれていない」とし、記事が誤報であると主張しています。
 初めに、この会議の日時と名称については、取材の過程で証言と情報への再確認作業に不備がありました。率直にお詫びし、訂正しなければならないと思います。
 ですが、中央3機関長と顧問を交えた会議がもたれたのは事実で、それが1月21日であったことを再確認することができました。「処分問題」そのものに対しては誤報でなかったと、本紙は確信しております。
 1月21日、民団中央本部は、処分解除の件に関する諮問を受けるため、数人の常任顧問を招集し、中央3機関長と監察委員出席のもと諮問会議を開きました。この会議で、問題の根幹である処分減免の件が話し合われたことはまちがいのないことではありませんか。
 そのさい、会議の席で、現在の被処分者の名簿が示され、処分見直しについて論議されたのは確かであります。被処分者のリストが示されたことでリストにある人々の処分減免をめぐって論議がなされたと聞いております。
 しかし、会議では、猛反対の声が起こり、処分見直し案は白紙に戻されたとも聞いております。 貴民団中央本部の抗議文は、会議日の書き違いの問題のみ取り上げ、処分減免の一件を取り上げたか否かについてはまったく触れておりません。問題の焦点をすり替えているものと言わざるを得ません。
 「記2」について。
 団長は被処分者の個人名こそ出さなかったと聞き及んでおります。ですが、すでに組織局長からリスト(名簿)が、参席者に示されていたのです。
 敢えて名前を出す必要はなかったということになり、したがって誰それと個人名を指さずとも、動議を諮ることができるという状況でありました。
 処分解除問題が鄭進団長から提議され、処分者の名簿が示されたのは事実です。
 ただ、団長は財政問題での警告・停権処分者の減免を考えただけかもしれません。だとしても、会議出席者たちの受け取り方は、必ずしもそうではなかったのです。提案は、大変な警戒感をもって受け取られ、侃々諤々の議論がなされたのではなかったのですか? 本紙はそのように聞いております。
 「記3」について。
 団長が、監察委員に対して「処分解除案を上程したい」と発言したことについて、本紙は信頼できる情報として確認しています。取材源保護の義務と責務があり、これ以上申し上げることはできませんが、事実であると確信するに値する証言であります。よって本紙は件の報道に至りました。
 本紙は、「5・17」による在日同胞社会の混乱を打開すべく、また、本国での政権交代を促すため「6・15」、「12・7」の緊急講演会を開催するなど鋭意努力を重ねてきたつもりです。上述したごとく、かかる時期において、処分減免の動きが出るのは、いかがなものでありましょう。「5・17」事態の傷跡が未だ残る状況だけに、在日韓国人社会に再び混乱を招きはしないかと憂慮し、大事に至らぬようにとの思いで問題を取り上げたのが、本紙の真意であります。他意は全くないことを申し添えておきます。

2008年2月18日
(株) 統一日報社編集部
社会部長 金 総 宰

読者の声 処分減免の動きに失望と怒り

 河丙ト氏のみならず郭東儀氏の民団復帰が上程されているという。失望、怒りを通り越し暗澹たる思いのみが残る。
 一昨年の5・17混乱事態の本質は一体何だったのだろうか。韓国内の親北勢力や総連と民団を一体化させ、民団を北朝鮮の勢力圏に塗り替え東北アジアにおける金正日政権の強化につなげようとすること以外のなにものでもなかったではないか。この策動は金日成時代からの北の一貫した政策であり、民団の歴史はこれとの抗争の歴史であったはずである。あの時彼らの策動が成功し民団が総連と「熱い抱擁」をしたままであったら、李明博新大統領を迎え新しく出発する祖国韓国に民団は完全に取り残され、その存続さえ危ぶまれる状態にたちいたるところであった。
 1年以上をかけた在日同胞の反河丙ト、反郭東儀の運動はまさに民団の存続を賭けた闘いであったことが今、証明されたわけである。にもかかわらず民団を存亡の淵に追い込んだ当の2者の復権が2年も経たぬのに画策されるとは一体どういうことか。
 末端の団員にとってはどう頭をひねっても理解できない。瓦解しつつある総連から永年にわたって民団に移籍し、民団に在日の基盤を求めている数万、数十万の物言わぬ団員たちにこの事態をどう説明するつもりか。
 彼らはそのほとんどが北に身内をかかえている。彼らの移籍は身内の命を賭けた移籍である。常任顧問文慶韶氏の提案理由くらいで納得できるものではない。身内の命を賭けて北を見限った彼らに河前団長や郭東儀氏の復権をどう説明するつもりか。両氏の復権を上程するなら全国の団員が納得する明確な理由を開示しなければならない。
 過去に河氏がやったような誰にも諮らず、一夜明けたら日本中がびっくりなどという非常識は絶対に許されない。
 福岡在住 北に身内を抱える地方の一団員

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