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2008年2月6日発行版
 
政権移行照準 統一部廃止(上)
 

対北支援の全貌究明めぐって対立

 韓国の政権移行はスムーズに運ばれているのか。新大統領の就任式まであと20日だが、次期政権と現政権が政権引き継ぎをめぐりヒートアップしている。盧武鉉政権が強く反発しているのは省庁再編で、中でも、李明博次期政権の、統一部を廃止しようとする動きには激しく抵抗している。
 韓昇洙元外相が、次期総理に任命されることが明らかとなった1月28日、盧武鉉大統領は別途に記者会見を持ち、「政権引き継ぎ委員会がああしろ、こうしろと言っているせいで、現職の大統領が『植物状態』になってしまった」と不満を述べながら、「委員会を削減しようとしたり、統一部や女性部を廃止しようとしたりするのはまったく理解できない」と、省庁再編に強く反対する姿勢を見せた。
 ここで言う「委員会」とは、盧武鉉政権下、大統領直属として新たに設けられた特別セクションのことで、李明博次期政権は、これを半分に減らし、さらに統一部を廃止、外交部に組み入れることなどを明らかにしていた。盧武鉉大統領は記者会で「省庁再編案に署名することはない」と明言した。

 大統領拒否権を行使しかねないほど、現政権が反発する理由は何か。「過去事件真相究明委員会」などの「委員会削減案」もさることながら、重大問題と浮上しているのは「統一部廃止案」だ。
 統一部は1998年、金大中政権が発足すると同時に、それまで国務総理傘下の中央行政機関であった「統一院」が、新たに、省庁の一つとして新設されたものだ。対北問題を専門に担わせようとした、金大中元大統領の強い意思が反映された。いわゆる「太陽政策」を象徴するセクションであったのだが、保守派は、最も不透明な部署だと、疑いの目を向けてきた。韓国のある情報部関係者は、「親北派の巣窟であったと言ってよく、ここを通じて流れた対北支援金の額と、支援ルートは謎に包まれている」と見ている。
 次期政権が統一部廃止を省庁再編の最大の眼目にしようとしているのは間違いなく、狙いは、「南北協力基金」などで使われた対北支援の総額、ルートなどの究明にあると見られている。
 「南北協力基金」は数兆ウォンに上ると言われ、基金以外のルートでも相当額のカネが「支援」の名目で金正日政権に渡っていると言われている。次期政権はいずれこの問題に触れていくものと見られるが、盧武鉉政権がこれに応じるとは考えられない。問題が明らかになれば、政府による大規模不正という前代未聞の事件となりかねない。盧武鉉政権としては、何としてもこれを防がねばならないところだ。
 次期政権は「ならば」と、統一部そのものを廃止に追い込み、人事を一新することで、過去10年の太陽政策の全貌に迫ろうとしているのかもしれない。
 韓国内では、対北支援の中身を明らかにせよとの声が強まっている。1月23日には、市民団体の「拉致被害者・脱北者人権連帯」が、「南北協力基金」の内訳を公開するよう統一部に対して声を挙げた。
 「親北派の存亡がかかっている」
 韓国情報部のある関係者は言う。盧武鉉大統領が「省庁再編案」に署名しない最大理由はそこにあるのかもしれない。
(崔世一)

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