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2008年1月30日発行版
 
「祖国で在日同胞の供養をしたい」
 


1世の思いが結実 韓国・慶州に寺を建立
土地を得て37年 チェサも無料で・・・

 異国の地で生涯を終えた在日韓国人を祭りたいという一人の在日韓国人の思いが、韓国・慶州市に建てられた「楽天院」によって結実した。寺を建てたのは、岡山県に住む在日韓国人1世の李康九さん(91)。「せめて在日1世の霊だけでも祖国の地に」との思いを込め、37年の年月をかけて建立した。(呉忠彦)

 李さんは忠清南道・公州市で生まれた。13歳の時に兄を頼って渡日したが、解放後に一時韓国へ帰国。再び来日してからは大阪で建築業に従事した。岡山には1970年に移住した。
 李さんと楽天院のある慶州市を結んだのは、ムクゲの花だった。李さんは、祖国のムクゲが減っていることを知り、慶州市にムクゲの花を寄贈した。以来、慶州市と岡山を往来するようになった。
 福岡県の筑豊炭田一帯の寺院に、戦争中に強制連行された韓国人青年の420体の遺骨が放置されていることを知ったのは71年。李さんは遺骨奉還を求め、韓国外務部や日本の外務省、宗教指導者らに協力を仰いだが反応は鈍かったという。独りで、遺骨奉還のための寺建立の計画を進めた。
 李さんはその後、かねて目をつけていた慶州で少しずつ土地の購入を始めた。
 購入した土地が2500坪に達したことを機に、「楽天院」本殿を建てた。本殿の前には高さ11メートル、幅6メートルの大仏座像が置かれている。
 「祖国に帰ることを夢見ながら異国の地で一生を終えた在日1世の悲運を悼む。1世たちの霊魂を守り続けていきたい。自分もやがてはここで永眠するつもりだ」
 静かに語る李さんだが、100歳を前に意気軒昂だ。かつて強制連行で無念の死を遂げた韓国人青年らの慰霊祭に向け、詩を自書している。
 楽天院では毎年2回、供養の祭事を無料で行う。申し込みは、故人の名前、生年月日、本籍、死亡年月日、死亡場所を明記し、同院まで郵送。祭事は5月12日(旧暦4月8日の釈迦誕辰日)を予定している。

◆「楽天院」=韓国・慶州市塔洞11―3 電話054・742・1849
◆李康九氏自宅=岡山市学南町2―7―7 電話086・252・4655

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