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2008年1月16日発行版
 
韓国社会を読む 原油流出事故
 

全国から駆けつけたボランティア
海岸奇跡的回復 白砂も鴎も戻る

 昨年12月7日未明、韓国西海岸で史上最悪の原油流出事故が発生した。
 忠清南道・泰安郡の万里浦海水浴場の北西5マイルの海上で、タンカー「フーベイ・スピリット」号とクレーン船「サムスン1号」が衝突。原油1万2547キロリットルが流出した。

週末には大勢のボランティアが、岩にこびりついた油を古布でふくとった

 一瞬のうちに漁場500カ所・5200ヘクタールと海水浴場15カ所が重油に覆われた。重油が凝固してできるタールボールは、南の全羅道にまで拡散し、被害規模は膨らむ一方だった。
 被害にあった現場では、報道に接した国民が全国から集まり、急速な復旧が進んでいる。週末にもなると1日2万人のボランティアが泰安に集まる。
 事故後1カ月で被害を受けた海岸に足を運んだボランティアは約55万人に達する。
 ボランティアと現地住民の復旧努力により、黒い重油に覆われた海岸は奇跡的な回復を遂げつつある。
 原油流出事故があって以来、現地では普段から観光客にエサをもらいに集まっていたカモメが姿を消した。海岸がもとの姿を取り戻しつつあった昨年末、ようやくカモメは帰ってきた。
 地元漁師たちは、これで漁を再開できるだろうと、希望を持つようになった。カモメがえさにする魚が戻ってきたからだ。
 「ほかの国ならば初期の作業だけで2カ月かかるところが、たった3日で復旧した。奇跡だ。韓国国民の熱意は最高だ」
 米国から派遣された原油流出対策の専門家は親指を立てて言った。
 最悪の事故を最低限の被害にとどめようとするボランティアの熱意はなるほど見るべきものがあった。
 1月4日の時点で泰安郡庁に寄せられた古着は6万269袋。重さにして1205トンあまりだ。古着は重油を吸着させるオイルシートの代用になる。
 黒い重油の帯が相当部分除去された今も、全国各地から泰安に古着が届くほどだ。
 郡の「防除対策本部」の関係者は「古着は泰安の痛みに同情してくれた国民の真心なので、ありがたく頂戴するが、今は十分だ」と話した。
 泰安郡に寄せられた救援物資は、長靴3万8000足、ゴム手袋16万5000個、作業着16万着、タオル9万4000枚など、120万5000点に達する。
 生活必需品としてはパン11万5000斤、牛乳7万3000本、水3万箱、菓子2万9000袋、ラーメン2万1000箱、米7000袋、キムチ2500キロ、ハンドクリーム6万個、化粧品2万7000個など40万点だ。
 元日、泰安の白華山頂では特別な行事が行われた。海水浴場ごとに毎年元日に行っていた初日の出参りは、ほとんどが事故のため中止になった。
 「真っ黒い油で覆われた白い砂浜が、ボランティアの汗で本来の姿を取り戻すという奇跡を見ました。両親が(重油流出で)受けた衝撃からまた立ち上がれるよう、今後も関心を寄せてください」
 ある女子高生が行事で朗読した文に、1000人以上のボランティアは決意を新たにしたようだった。
 地元住民は、海岸の復旧が終わればボランティアのための宴会を開くと約束した。自分のことのように手伝ってくれるボランティアを見て、現地住民は再起を確信した様子だ。

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