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2008年1月23日発行版
 
模様替えする 青瓦台
 

小さな政府へ 省庁改編計画中

 韓国の政権引き継ぎ委員会の出した行政改革案が論議を引き起こしている。引き継ぎ委員会は16日、大規模な「部処(省庁)改編計画」を発表した。いわゆる「小さな政府」だ。これが大統領府の権限強化に繋がると問題視されている。旧与党系の大統合民主新党などは「青瓦台への権力集中」と批判を強めている。(ソウル・李民皓、東京・崔世一)

次期大統領は「政府組織のスリム化」を訴える
 
   

 改編計画は、現在の18部4処を13部2処に縮小する。中央部処の公務員ら約7000人を削減し、青瓦台の体制も大幅縮小する。「政府組織のスリム化」を訴える次期大統領の意向を反映した方針だ。
 これに反対する声が強い。“規模”は縮小されたが、“権力”は拡大されたと、懸念する声だ。「青瓦台に権力が集中される」という懸念はどこにあるのか。
 まず、総理室傘下にあった国務調整室が事実上廃止される。大統領が内閣を直轄する体制となることだ。青瓦台と内閣の間で調整役を担ってきた副総理のポストも廃止されるが、大統領の“腹心”ともいえる「政務首席」が復活し、「国政企画首席」も新設される。主な国政課題を担う「国家競争力強化委員会」が青瓦台に吸収されるほか、独立機構だった「放送委」と「国家人権委」も大統領直轄となる。
 だが、青瓦台の権力集中問題は、今に始まったことではない。大統領中心制の韓国では、金大中、盧武鉉政権がそうであったように、歴代政権は、「王権か?」とまで揶揄されてきた。
 権力機構改編で、野党となる各党が神経過敏となっているのは、統一部の廃止案だ。
 引き継ぎ委は、“廃止”ではなく、“統合”だと強調する。国連や周辺国に対する外交との一貫性を維持するためのものだと説明している。

   

 次期政権で与党となるハンナラ党以外のほぼ全党はこれに反対する方針だ。特に大統合民主新党や民主党は、「数十年間に苦労して積み上げてきた統一政策の成果を否定するようなものだ」と、統一部廃止案に強く反発している。
 現政権は「南北関係に国家対国家の関係を適応することはできない」(報道官)とし、対北問題を外交部で扱うべきでないと、廃止案に不快感を示した。北朝鮮もまた、南北関係を内部問題として規定しており、統一部廃止後の外交部に対し、交渉に応じない可能性がある。
 「(統一部廃止案は)対北朝鮮問題の特殊性と専門性を無視した措置だ」と、現統一部の関係者は指摘する。

   

 だが、これまで「統一部」とは言うが、実体は、北朝鮮を支援するための窓口以外の何物でもなかったのは事実だ。金大中、盧武鉉両政権の「太陽政策」を象徴するセクションだった。そのようなセクションをなくして当然とする声も一方で小さくない。李明博新政権が対北朝鮮政策を修正する上で、統一部のイメージを変える必要に迫られているのも無理からぬことなのかもしれない。
 統一部の廃止が本当に実行されるのかはまだわからない。「政府組織法改正案」を成立させるための単なる“交渉カード”という見方も少なくない。院内第一党の大統合民主新党の組織法改正案への反対が予想されている。法案そのものを成立させるため、ハンナラ党は統一部の「存続」を取引材料にしているのかもしれない。

 

 

まだモヤのかかる対北政策
「金正日体制」保障にカジ取り

 李明博次期政権の対北朝鮮政策は、「北朝鮮の体制保障」の方向に進もうとしている。
 『朝鮮日報』は14日付で、「李明博氏は北朝鮮の体制保障問題で深く悩んでいる。米国に対しては、北朝鮮軍部と対話を持ち、体制崩壊への北朝鮮の懸念を払拭させるよう要請した」と報じた。
 李明博氏は10日、クリストファー・ヒル次官補と会い次のように述べたとされている。
 「どのようにすれば韓米が北朝鮮を平和的に開放させることができるのか。その方法を考えなければならない。米国側も北朝鮮軍部と話し合う必要がある」
 李明博氏は最近、アレクサンダー・バーシュボウ在韓米国大使にも会った。
 「北朝鮮を開放に導くためには、金正日政権の体制崩壊への不安を解消してやる必要がある。カギは米国が握っている」
 李明博氏は懇願するように言ったという。
 「北朝鮮の非核化と改革・開放のためには、体制を保障してやらなければならない」という論理は、新政府の統一担当官になると目されている高麗大・南成旭教授がかねてから主張していたものだ。南教授は現在、大統領職業務引き継ぎ委員会の「外交・統一・安保分科諮問委員」を務めている。
 南教授は『月刊中央』1月号に寄せて「新政府は北核問題の解決と均衡的南北関係の樹立、中長期的な体制保障と経済再建により、北朝鮮を正常な国家にしなければならない」と主張した。
 南教授は1月1日の「KBSシンポジウム」でも新政府に北朝鮮のレジームチェンジを目指す意図はないことを重ねて強調した。
 「(レジームチェンジをさせる)能力もないし、必要もない」
 李明博氏と、彼のブレーンが、「北朝鮮の体制保障」を対北政策の前提とする考えを示す中で、新政府の対北政策は親北政権と変わらないのではないかという見方が出はじめている。
 親北朝鮮派のシンクタンクといわれる「実践連帯」は9日、「2008年情勢展望と進歩陣営の課題」というレポートを発表した。中身は、「李明博氏の『新韓半島構想』は、相互主義を強調しただけで、現政府の『包容政策』と大差ないというのが、一般的な見方だ」というものだ。
 実践連帯は、ハンナラ党政権になっても南北関係は極端な対立の方向には進まないだろうと明言している。
 9日、韓国のマスコミは、金万福国家情報院院長が2007年12月18日、秘密裏に北朝鮮を訪問したことを報じた。金院長は北朝鮮の金陽乾統一戦線部長に李明博氏の新韓半島構想を伝えたという。
 金院長は、李明博氏が次期大統領になることが確実視されている点を説明しながら、新政府は韓国の保守派を説得し、現政府よりも思い切った対北政策を推進するはずだと、北朝鮮側に説いたと言われる。
 「南北関係は、韓国の政権が代わったあとも維持されるだろう。ハンナラ党政権誕生は確実だが、ハンナラ党の対北政策も和解・協力基調に大きい変化はない」
 北朝鮮側は金院長の言葉に安堵したとも言われる。
 新政府の対北政策が金正日政権を保障することを前提に策定されていることについて、すでに金正日政権と秘密のホットラインが構築されているという指摘がある。
 昨年9月、李明博氏の関係者が北朝鮮の統一戦線部と秘密裏に接触していると報じられた。その後、李明博選挙対策委員会の組織本部長だった鄭柄国議員が、北京で北朝鮮の統一戦線部関係者と会ったことが統一部によって公式に確認された。
 統一戦線部は、対南放送やビラまきなど、対南宣伝や煽動工作を主導する部署だ。海外に住む韓国人に北朝鮮の思想を広めたり、韓国内の親北朝鮮組織の管理をしたりもする。

 
金成c 延世大法学部卒。週刊紙記者を経てフリーに。著書に『大韓民国赤化報告書』。
 
   

 鄭議員は金院長同様、全党大会で定めた李明博氏の対北政策「非核・開放・3000構想」と新対北政策に対して説明したという。
 選挙戦をたたかっていた李明博陣営と金正日政権の秘密のホットラインは、南成旭教授の発言からも確認されている。
 南教授は昨年9月4日、『世界日報』とのインタビューで「北との接触に対して具体的に話すことはできないが、李明博候補の対北政策メッセージを北に送ったことは確かだ。ソウル市長時代、李候補は人道的対北支援事業をした。対北ラインは形成されている」と発言した。
 南教授によると、北朝鮮は李候補の「非核・開放・3000構想」やナドゥル島公約(南北で人工島をつくり、工業団地を入居させようという計画)に関心を持ったという。李明博氏の対北メッセージを送ったチャンネルについては、確認できないと話している。
(キム・ソンウク)

 

 

シャットアウト 政権交代−3−
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盧政権 情報機関トップ辞任めぐり次期政権と対立
 金万福氏は北朝鮮の対南担当責任者、金養建氏との対話記録が韓国メディアに流出した責任を取り、すでに辞意を表明している(15日)。
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編集余話 瞻星台  出版不況の中で・・・
 たとえば、『間違いだらけのクルマ選び』などが大ベストセラーとなったが、私などは、ネイティブアメリカンの秘められた歴史と思いを綴った『わが魂を聖地に埋めよ』や、60年代の混迷の米国社会で傷つきさまよう若者の姿に迫った『ぼくらを撃つな』などを愛読したものだ。
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