| 「在日」からの要請強く 次期政権
700万人。海外に暮らす韓国人の数だ。人口比からすれば、意外にも、韓国は「在外国民」を世界で最も多く抱えていることになる。本国の歴代政権は、彼らを尊重してきたとは言い難い。もてあましてきたと言ってもいい。時には棄民政策とも受け取れるような冷淡な態度を取り続けた。来月からスタートする李明博新政権はこれまでの在外国民政策を見直そうとする動きを見せている。在外国民の事実上の兵役免除や二重国籍の容認など、踏み込んだ内容も視野に入れ、検討を重ねていくとしている。(ソウル・李民皓、東京・崔世一)
兵役免除も検討
例えば、ゆえなく他郷に住むことになった在日韓国人のような人々もいれば、例えば、一攫千金を夢見て離郷した在米韓国人のような人々もいる。
経緯はどうであれ、彼らは異国の地で暮らしながらも、本国との繋がりを断ち切れずにいる。「帰化」を好まず、「韓国籍」のままでいることが、当該地での望むかぎりの経済活動に支障をきたしたのは自明だが、それでも彼らは、韓国籍の保持を重視した。結果、在日韓国人の場合、88年のソウル五輪には、「在日韓国人後援会」を構成し、90億円もの支援金を送る行為へと繋がった。
韓国政府は、本国への貢献であったと言っていい彼らのそうした姿勢を顧みることはあったのか。「在外国民」に、本国での選挙権がなかったから冷淡であったのか。「在外国民」の側に失望感は残り続けた。
1965年の韓日国交正常化を前に、日本政府が在日韓国人の帰還について協議を持ちかけたとき、韓国政府は、「彼らの措置は日本が好きにやればいい」と答えた。「在外国民政策」の象徴的な事例だ。「棄民政策」と批判された所以である。
そして、90年代以降の韓国の在外国民政策は、「現地化政策」に移った。
新政権は、そうした流れを変えようとしている。少なくとも「在外国民」たちはそう思っている。
「5000万国民と700万在外同胞が力を合わせ、21世紀の韓民族時代を切り開こう」
次期政権の在外国民政策のキャッチフレーズだ。
昨年10月には、ハンナラ党内に「韓民族ネットワーク委員会」が設立された。委員会には4000人以上の在外韓国人が参加している。8つの本部と68の支部が日本、米国、中国、ヨーロッパなどに設けられている。
大統領選を前に、それぞれの地域では、李明博氏を応援する集会などが開催されたほか、一部地域の在外韓国人らは、大統領選にチャーター機で帰国し、李明博氏を後押しした。(=関連記事)
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