とりもどせるか「失われた10年」
韓国経済は今年、97年の通貨危機から10年目を迎える。この10年、政府が叫んだのはもっぱら対北融和策で、国民経済はなおざりにされた。大統領選のさなかにも、人々は盧武鉉政権の失政を「第2の経済危機」と呼び、必死に「経済再建」を求めた。「失われた10年」は、李明博次期大統領の手で回復するのか。現実は、ウォン高、原油高、青年層の失業長期化、国民負担率の増加、金融負債の増大など、国民生活に明るい兆しはまだ見えない。(鄭重国)
成長率予想値「昨年と変わらず」
サブプライム、雇用、住宅・・・問題山積
李明博次期政権は選挙公約で年七%の経済成長率を掲げた。
韓国の経済シンクタンクが出した08年経済成長率の予想値を見れば、たとえば、現代経済研究院が5.1%、サムスン経済研究所が5.0%と予測している。韓国銀行の見積もりはそれよりも低く、07年の経済成長率4.8%と同水準の4.7%としている。昨年とほとんど変わらない予想値で、「経済再建」と言い切れるほど、展望は明るくはない。
韓国銀行の07年から08年までの経済指標の変動予測をみると、民間消費は4.4%から4.3%で0.1%の減少、設備投資は7.6%から6.4%で1.2%の減少、商品輸出は11.3%から10.3%で1.0%の減少となっている。
これにサブプライム問題による影響が加わると不安は増すばかりだ。韓国政府は、サブプライム問題による影響は限定的だとしている。しかしサブプライム問題による不良債権の規模は正確に把握されていない。米国経済の成長鈍化や輸出関連の諸条件が悪化した場合、脆弱な国内経済への打撃は計り知れない。
たとえば、建設投資は、国土均衡開発事業や非居住用住宅建設に2.8%の増加(07年は1.8%)が見込まれているが、住宅景気は分譲住宅の制度変化で供給は委縮している。
次期政権も現政権と同様に首都圏の住宅供給拡大や韓国縦断大運河構想を掲げているが、開発事業が景気底上げにつながらなかった場合、悪循環が繰り返される恐れがある。
雇用は、就業者の増加数が昨年の29万人よりも少し増加して30万人程度になると予測されている。次期政権は5年間で300万人の雇用創出を公約にしている。年間60万人計算になり、昨年比2倍ペースで増加させなければならない。
失業率は昨年の3.3%よりも少し下落して3.2%水準に落ち着くと見込まれているが、現実には青年層の失業率は七%台で、通貨危機の時と同じ水準だ。所得格差の拡大、非正規労働者の増加などで、不安定な雇用形態が持続しており、これは直ちに是正されるような状態を指してはいない。
国内産業は原油高、為替や金利上昇などの費用上昇による採算性の悪化が憂慮されており、新興国の追い上げなどで、国内企業の持続可能な成長は難しい状況だ。
次期政権は法人税や不動産税の減免と規制緩和を推進し、企業投資を活性化させることで、「経済再建」を目指しているが、逆に企業間格差や社会格差の拡大を加速させる恐れがある。韓国は実体なき成長と不安材料を抱えたまま前に進むほかないというのが、現実だろう。 |