季節の中で(米国・1999年)
混沌としたベトナム 懸命に生きる人々
ベトナム戦争があった。アメリカ人には振り返りたくない戦争だが、ベトナム人はそうはいかない。傷跡が今も残っていると言えば、どこにでもありそうな話だが、この映画は、それが生々しいと口に出すのもはばかれるほど、傷跡の深さを今に伝えようとしている。
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原題は「Three Seasons」。3つの物語が交差する |
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外国人なしでは成り立たない経済、ストリートチルドレン。ベトナム人との間に生まれた娘を探す元米軍人がいて、弱者が捨て置かれる現実を、監督のトニー・ブイは、戦後20数年のベトナム現地で捉えた。
ブイはそれぞれの物語に結末を与えようとはしない。根本的な解決に至らないまま、一見平和な日常に戻っていく様を描いた。映画上映から10年近くが経った。ベトナムはどれほど変わっただろうか。
73年の米軍全面撤退後、アメリカ人がベトナムで負った傷も癒されることはなかった。元軍人のエピソードは、アメリカ人がいまだベトナムに対し、感情を整理できていないことのメタファーといえよう。
この10年、アメリカは再びベトナムの悪夢にさいなまれている。
長引くイラク戦争は、「泥沼」という言葉を蘇らせ、再びアメリカ人にベトナム戦争を思い出させることになっている。「ベトナムの二の舞」と人々は言うようになったが、ふと考える。イラクを舞台にして「季節の中で」が制作されたらどうかと。
出演者は、元軍人にハーヴェイ・カイテルほか、グエン・ヒュー・ドゥオック、グエン・ゴック・ヒエップ、ドン・ズオン、ゾーイ・ブイなど。
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