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2008年1月16日発行版
 
子年の話
千鎭基
 
 


 

 子は十二支の第1番目。正北(真北)、午後11時から午前1時までの時間、陰暦11月を守る方位神であり、時間神だ。
 子年は豊饒と希望、機会の年だ。子年生まれの人は運が良いといわれる。特に「食福」という、食事の運がいい。
 ねずみは財物・多産の象徴でもある。“盗み癖”を非難されることはあるが、勤勉性は賞賛の対象になってきた。どんなに硬い物にでも穴を開けてしまうのは、勤勉性と忍耐力があるからだ。
 また、ねずみはまめにえさを蓄えることから、財を守る存在と考えられてきた。「子年の子が夜に生まれれば金持ちになれる」といわれている。
 ねずみは繁殖力が旺盛だ。子年の「子」は「茲」、「滋」と発音が同じで「芽が出はじめる」、「生い茂る」という意味を持つ。多産の象徴と見られるのはこのためだ。
 韓国では正月最初の子の日を「上子日」と呼ぶ。農家ではこの日、田畑を焼く。「ねずみ火」という。正月の満月の夜、月見と兼ねて行われることも多い。田畑に放った火は害虫を駆除し、灰は酸化した土を中和する「焼畑」効果をもたらす。 
 ねずみには超能力があると思われてきた。地震や噴火、山火事などの災害まで予知して、群れで安全な場所に逃げるためだ。予知能力は崇拝の対象になった。
 ねずみは海辺の地方では守護神に祭られることもある。
 全南・飛禽島のウォルポリ堂と牛耳島の鎭里、多村里、キョンチ里、ソソウイ島のお堂はねずみを祀った代表的な例だ。
 ことわざに現れるねずみは、弱者・倭小・泥棒・手早さなどを象徴する。
 文学作品に出てくるねずみは、多くの場合、盗賊として描かれる。
 朝鮮時代の実学者・丁若繧ヘ『狸奴行』という詩でねずみを奸臣・収奪者に例えた。
 「畑ねずみは穴を掘って稲穂を隠す/家ねずみは家をかけまわり暮らしをすべて盗む/民はねずみの騒々しさに日々やつれて青白く/油も血も乾き 骨までやせこける」
 畑ねずみは収穫を必要以上に収奪する地方役人、家ねずみは宮廷で散財する奸臣のことだ。
 仁義による徳治主義を目指した儒家は、国王の教化による王道政治を理想にする。君主の政治が奸臣によって立ち行かなくなるさまを、ねずみに例えて警告している。「国には泥棒がいて、家にはねずみがいる」という古い言葉に通じるものがある。
 (チョン・ジンギ・国立民族博物館民俗研究課長)

 

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