| 検察発表 不正疑惑に「嫌疑なし」
韓国の検察特捜チームは5日、ハンナラ党の李明博候補の不正株価操作疑惑などについて「事実とする証拠はない」と発表した。大統領候補の逮捕という結果もありえた検察の捜査結果は、「嫌疑なし」に落ち着いた。李候補当選の可能性は、いっそう高まったといえる。(ソウル・李民皓)
自身も驚いた「嫌疑なし」発表
ハンナラ党は、「当然の結果」としながらも、ほっと胸を撫で下ろしている。
検察捜査が発表された5日、ソウル・汝矣島の党本部は、大統領選挙に勝利したような喜びと慌ただしさに包まれた。「嫌疑なし」とする捜査結果に、「予想もしなかった」と驚きの反応を見せる党幹部もいた。
李明博候補の支持率は、検察発表後に40〜45%に上昇したが、検察の捜査結果を受け入れられない人はまだ多い。捜査結果を「信じられない」と答えた人は、48%〜65%にのぼっている。
2000年に李候補がBBK(不正株価操作の舞台になったといわれる投資顧問会社)の事務所でマスコミのインタビューに応じていることや、李候補名義のBBKの名刺、土地所有にからむ名義借り疑惑などについて、検察は詳細な結果発表を行わなかった。
大統合民主新党 なおも追及の構え
李明博候補は7日「全財産を社会に献納する」と表明した。「不正蓄財疑惑」を解消して支持率上昇を狙うのが目的だと思われる。
「もう少し早く表明したかったが、検察の調査があったのでできなかった。やりたかったことがすべて整理できた。すっきりした気持ちで国民に伝えることができた」
テレビの討論番組に出演して李明博候補は述べた。
鄭東泳・大統合民主新党候補サイドは「売票行為だ」と非難。李候補には隠し財産があるはずだと、なお追及する構えだ。
「盧武鉉との政治取引」鄭候補が発言
捜査発表後、鄭東泳陣営の怒りはおさまならい。
鄭候補は選挙遊説を一時中断して街頭でキャンドルデモを行った。選挙カーは、ソウル市内を巡回しながら、「李明博はうそつきだ」と連呼している。
鄭候補は7日、広報誌「鄭東泳通信」で「盧武鉉大統領と李明博にビッグディールがあった」と述べ、検察捜査に対して青瓦台の関与があったかどうか、明らかにするよう求めた。
青瓦台の千皓宣報道官は聯合ニュースとのインタビューで「青瓦台が検察捜査に関与できないことは鄭候補もよく知っているはず。これ以上はノーコメント」と答えた。
「盧・李明博ビッグディール説」は、昨年の盧大統領の大連合政府提案をきっかけに浮上した。
“裏取引”はハンナラ党とともに国政運営を行う構想であったと言われ、大統領の最側近である安ヒジョン氏が、李明博氏サイドに持ちかけたとされている。安氏は高麗大出身で、李明博陣営には高麗大学人脈が多い。
ある保守陣営の人物は匿名を条件に、「大連合政府はだれが見ても李明博に向けた盧武鉉のシグナルだった。検察は青瓦台と大統領の最有力候補の現実的問題や政治的利害関係をよく把握できる位置にいる。充分に両者のパイプ役になれる」と、舞台裏を語った。
北朝鮮の金養建・統一戦線部長の韓国訪問(11月29日〜12月1日)が、大統領選挙と関係あるという分析も出ている。表向きの訪問目的は経済視察だったが、次期政権との関係構築や何らかの取引を試みたというものだ。
消えた保守系候補の一本化
李明博候補と李会昌候補の保守系候補一本化への道はなくなったと見ていい。李明博候補の支持率は現時点で当確ラインを超えている上、誰を支持するか態度を保留してきた朴槿惠前党代表が李明博候補支持を表明したことが大きい。
鄭夢準、金鍾泌といった有力政治家がハンナラ党に入党するなど、連日李明博支持を宣言する政治家が増えていることも理由として挙げられる。
少なくとも現時点で、李明博候補は李会昌候補の協力なしでも当選する可能性が高い。
李会昌候補は一本化には一切言及していない。大統領選を単独で戦い抜く決心を固めたようだ。
「忠武公(李将軍の号)が12艘の船で外敵を退けたように、必ず国を救う。“12月の奇跡”に起こす」
7日、李会昌候補は、李舜臣将軍の廟(忠南・牙山の燎忠祠)を詣でて、選挙の勝利を誓った。
創造韓国党候補の文国現氏は鄭東泳候補に一本化を提案したが、一日で撤回した。
支持率から見れば、鄭候補と文候補が一本化したとしても、李明博候補を逆転することは不可能だ。
「帰国投票」呼びかけ ハンナラ党
ハンナラ党の大統領選挙対策委員会は3日、傘下に「韓民族ネットワーク委員会」を発足させた。委員長は金徳竜議員、副委員長は在日韓国人の金健治氏。
姜在渉ハンナラ党代表と金委員長などの党役員は、3日の発足式で海外地域本部長と支部長、在外国民参政権委員会などに辞令を授与した。
委員会に参加する在外国民は、3400人以上。8つの本部と六八の支部が米国、日本、中国、ヨーロッパなどに設けられた。日本地域は金一雄氏が本部長を務める。
委員会は今回の大統領選挙で、155万人の短期国外滞留者を対象に「帰国投票運動」を展開する。
9日来日した金徳竜議員は東京と大阪で李明博候補の支持を訴えるとともに、選挙権をもつ韓国人に投票を促した。金議員によると、在中韓国人はチャーター機で大挙帰国し投票する予定だという。
対北・外交安保政策で 初のTV討論会
韓国大統領候補のテレビ討論会が6日、初めて行われた。主題は対北政策・外交安保政策問題だった。
李明博ハンナラ党候補と李会昌無所属候補は、相互主義に則した対北政策を強調した一方、ほかの候補は対北包容政策の継続を主張した。
李明博候補は「太陽政策で北朝鮮住民を暖めることはできなかった」と批判。「北核廃棄は南北交渉だけで達成されるものではない」と、韓米協調を強調した。北朝鮮の完全な核廃棄完了前でも人道的対北支援は可能だと述べ、「離散家族と拉致被害者の問題も人道的に解決されるべき」と相互主義を訴えた。
李会昌候補は「(太陽政策政権の10年間で)北朝鮮は核保有国になり、韓米関係は悪化した。政権交代が必要な理由はここにある」と述べた。
李明博候補と李会昌候補は、韓米同盟の強化と西海北方限界線(NLL)を領海線として認定することなどで一致した。
鄭東泳・大統合民主新党候補は、太陽政策の継続を主張した。対北政策と韓米関係で韓国は主導的役割を果たすべきで、開城工団建設のような南北交流は、太陽政策の産物だと述べ、対北強硬政策は戦争を引き起こす可能性があるという理論を展開した。
鄭候補は「李明博候補と李会昌候補の考えはアナクロニズム的」と批判。両候補を米国で対北強硬策を進め、政権内から退いたネオコンに例えた。
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