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2007年11月28日発行版
 
大統領選挙 息切れするか 先頭ランナー李明博
 

選挙終盤 にわかに波乱の様相
とり戻せるか 失われた10年

 「親北勢力と保守勢力の対決だ」。今年8月、李明博候補は、大統領選の対決軸を明確にした。保守陣営は歓喜の声を上げたものだった。今回の大統領選が「単なる政権交代ではない」とする李明博候補の姿勢は、保守陣営だけではなく、盧武鉉政権に失望した多くの国民からも強い支持を受けた。だが、李明博氏の親北勢力との対決姿勢は以後、影をひそめた。彼の対北朝鮮観は曖昧になる一方だ。不安を覚える保守陣営からは、李明博離れが進んでいるともいわれる。
(ソウル・李民皓)

李明博氏は依然支持率トップを走っているが投票日まで維持できるか
 
   

掟破りの李会昌出馬 南北首脳会談に沈黙

 「李明博大勢論」は、10月初旬まではゆるぎないものだった。支持率は60%を上回っていた。大統領は「李明博単独レース」といわれたほどだ。
 10月の南北首脳会談を契機に世論は徐々に向きを変え始めた。有権者が首脳会談を支持したからではない。「南北宣言」に対し、保守派から強い非難が起こったにもかかわらず、その保守派を牽引する肝心の李明博氏は沈黙するばかりだった。世論が敏感に反応した西海NLL(北方限界線)などの領土問題にも終始ノーコメントだった。
 保守派にとってリーダー自身が大きな不安要素になったというわけだ。
 李明博候補は10月8日、まだ大統領選に名乗りを挙げていない李会昌氏と昼食をともにした。この時、李会昌氏は南北首脳会談に対する李明博氏の曖昧な姿勢に不満を述べたと言われる。対北朝鮮問題をめぐって齟齬を来しはじめた2人の関係は、昼食会があった2日後には早くもマスコミに大きく取り扱われた。
 「李会昌氏に顧問職を引き受けてくれとは頼まなかった。2回も大統領選挙に出馬した方に顧問職を頼むのは都合が悪い」(李明博)
 「あの日選挙対策委員会常任顧問を引き受けてくれと(李明博氏は)確かに何回も言った。大統領になろうという人が嘘をついていいものか」(李会昌)
 2人の不仲が明らかになると同時に、李会昌出馬のうわさが出はじめた。朴槿惠氏が李会昌支持に回るのではないかとも囁かれた。
 李会昌氏は10月24日、保守派の集会で講演した。政界から引退して5年ぶりのことだった。
 「ハンナラ党の対北政策には問題が多い」と、李明博陣営への批判は辛辣だったが、集会参加者からは「私たちの気持ちを李会昌が代弁してくれた」「李会昌が出馬すれば李明博支持を撤回する」などと、李会昌氏を待望する声が広まった。
 11月初旬、李会昌氏はそうした声に応える形で出馬表明した。
 ハンナラ党は、離党して無所属出馬を宣言した李会昌氏を「裏切り者」などと批判した。
 「李明博の善戦で“失われた10年”を取り戻せそうなのに、李会昌の掟破りで、私たちの夢は水の泡となるかもしれない」
 李明博支持者たちのショックは隠しきれない。李会昌氏に生卵を投げつける者が現れたり、殺害を予告したりする事件まで起きた。
 李会昌支持率は伸びて行った。李明博不支持に回った人々が増えていることを物語っていた。
 こうして李明博氏の支持率は、40%を割るようになった。李会昌氏は20%前後の支持率を得て、一躍第2の候補に浮上した。

親北派に牛耳られたハンナラ党の選対

 保守分裂を懸念する声は高まっている。
 19日、「大韓民国の明日を考える会」が発足した。参加者は、正統保守を自任する識者がほとんどだった。
 参加者の一人、李相敦中央大教授は「ハンナラ党は候補者選出後も正統保守の立場を代弁することができなかった。党のアイデンティティの乱れが、李会昌を大統領選挙に呼び入れた」と批判した。
 「ハンナラ党は7月初旬『韓半島平和ビジョン』というとんでもない案を出した。その後も『新韓半島構想』や『非核・開放』といったわけのわからない論議を続けている」
 李長春前外交通商部大使のハンナラ党の対北政策批判も強烈だ。「李明博は、保守の大義とともに、大韓民国を見捨てた」
 10月末に発足したハンナラ党選挙対策委員会(李明博陣営)には親北派と疑われる人物が名を連ねている。
 委員会の秘書室と組織企画室、戦略企画室などには、元「386学生活動家」(北朝鮮支持者)たちが多く入っている。
 李明博側近と呼ばれる李在五ハンナラ党前最高委員は、1977年から79年まで続いた「南朝鮮民族解放戦線」(南民戦)事件の主謀者の一人だ。逮捕され、獄中生活を経験している。逮捕時、爆弾と銃刀、金日成忠誠誓約などが警察に押収された。
 李明博候補は依然、世論調査で支持率トップを走っているが、腐敗イメージに加え、あいまいな対北朝鮮観が大統領選に影響を与えるのは必至だ。投票日まで現在の支持率を維持できるかどうか。

 

不正株価操作問題 保守陣営から出された証拠

 李長春元外交部大使(67)は22日、李明博ハンナラ党候補が不正株価操作問題に対して虚偽の発言をしているとし、李候補からもらった名刺を公開した。

李明博候補が李長春元外交部大使にわたしたとされる名刺
 
   

 李前大使は趙甲済ドットコムとのインタビューで「2001年5月30日、彼(李候補)の事務室で名刺を直接もらった。李候補は当時、インターネット金融業をすると言っていた」と発言した。
 李前大使が証拠として提示した名刺には「eBank―Korea.com、BBK投資顧問会社、LK―eBank・eBANK証券株式会社」という社名が書いてあり、李明博候補の肩書きは会長・代表理事となっている。
 BBK投資顧問会社とは、不正株価操作の舞台となったとされる会社だ。BBKの金景俊前社長サイドは、李候補が「BBKの実際の所有者」であったと主張してきた。金前社長の姉、エリカ・キム氏はMBCラジオで「話さないだけで、名刺をもらった人は多い」とも述べている。
 李明博候補とハンナラ党は名刺について「金景俊によって偽造されたものか、実際は使用せずに廃棄したもの」と否定している。
 金融監督院は2001年3月、BBKの投資顧問業登録を取り消した。李前大使が名刺をもらったとされるのは5月。李前大使の発言が事実なら、李候補は会社が登録取り消しになった後も、名刺を使っていたことになる。
 李前大使は「もらった名刺はすべて集めておく。李候補に会った日付も手帳に書いてある。青瓦台政府秘書官だった時、現代建設社長だった李候補と会って以来、20年以上の知己だ。私的な恨みはないが、知人として真実を隠すことはできなかった」と述べた。
 李前大使の発言は、同じ保守陣営による李明博辞退への圧力と見られ、注目を浴びている。ハンナラ党は「彼(李前大使)は李会昌候補を支援しており、政治的目的に名刺を利用したという疑いがある」という反応を見せた。
 ハンナラ党国会議員の朴亨ジュン氏は「2001年5月は、李候補と金氏の間で問題が起き、事業を整理した後だ。件の名刺を使う理由はまったくない。李候補と李前大使は20年来の知己であり、名刺を渡す理由もない」と反論した。

 

大統領選 有権者数  3767万1149人に

 行政自治部は12月19日に実施される第17代大統領選挙の有権者数が、3767万1149人に達すると明らかにした。
 男性は1855万601人(49.2%)、女性は1012万548人(50.8%)。
 行政自治部は「有権者数は、25日までの選挙人名簿作成期間と26日から28日まで実施される選挙人名簿閲覧、異議申し立て、名簿から脱落した者の救済過程などを経て12月12日に確定される」と述べた。
 今回の大統領選挙の有権者数は、前回の大統領選挙の3499万1529人より267万9620人増えた。
 2005年8月に改定された公職選挙法によって、今回の選挙で初めて投票権を得た満19歳の有権者は、61万9619人だった。
 有権者を年齢別に見ると、19歳が1.6%、20代が19.4%、30代が22.9%だった。40代は22.5%、50代は15.4%、60代以上、8.1%である。市・道別の割合は京畿道21.8%、ソウル市21.4%、釜山市7.6%、済州道は1.1%でもっとも少なかった。

 
 
 
 
 
 
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