| 課題多い鄭東泳 大統領選挙
カギ握る親盧武鉉派
第17代韓国大統領選挙まで、残り50日をきった。候補者の顔ぶれが出揃い、選挙戦はいよいよ佳境を迎える。大統合民主新党は鄭東泳氏、民主党は李仁済氏を党候補として選出した。柳韓キンバリー前社長の文国現氏は、独自の政党を組織し、大統領選に出馬する。3人は「旧与党勢力候補」として、ハンナラ党の李明博候補に対抗する見込みだ。一本化の動きは見えはじめている。(ソウル・李民皓)
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大統領選で逆転勝利を誓った鄭東泳だが・・・ |
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なるか、旧与党勢力の一本化
単一候補は鄭候補になる可能性が高い。ほかの候補に比べ、旧与党勢力内の圧倒的支持を集めているからだ。
大統合民主新党は、旧与党勢力の90%以上を抱えている。国会内の第一党だ。
大統領選挙の構図は「李明博対鄭東泳」になると見られている。投票券を持つ国民もそう見ている。
「旧与党勢力の候補は誰か」という疑問は、鄭候補の選出によって消えた。「李―鄭対決」が幕を開けたと言っていい。
課題が多いのは鄭候補の方だ。
党候補に選出されてから半月が経とうとしているが、支持率は10%台の後半と、伸び悩んでいる。過半数の支持を集める李候補とは対照的だ。
ハンナラ党の李候補と戦うためには、李仁済候補と文国現候補との一本化が不可欠だ。
状況は、鄭候補の思うようには進んでいない。鄭候補の当面の課題は、親盧武鉉グループの支持を集めることだ。
鄭候補は党候補に選出された日の夕方、盧大統領に電話をかけた。盧大統領への“和解申し入れ”だった。
盧大統領は、条件付きの支持をにおわせた。
「鄭候補によって傷つけられた人々を、うまく抱えこんでいってほしい」
ウリ党の解体と予備選過程で生じた不和を解消すべきという意味だが、感傷的でもある。
鄭候補は盧大統領との電話の後、あるテレビ番組に出演した。
「大統領とは意見が違った。ウリ党議長を2回も務めた私が、離党して新党創党を先導したのは、しかたなかった。ただ、申し訳ない気持ちはある」
公開謝罪とも受け取れる発言だった。
青瓦台の反応は冷ややかだ。親盧武鉉派の代表格だった李ヘチャン元総理の予備選の戦い方を見ても、鄭候補との共闘は考えにくい。
李元総理は、韓明淑前総理と柳時敏前保険福祉部長官が相次いで辞退して援護したにもかかわらず、予備選挙の得票数で最下位だった。
孫前知事と連携していれば結果は変わっていたかもしれないが、李元総理は、最後まで誰とも手を組まなかった。
親盧武鉉派との隔たりは、鄭候補のアキレス腱だ。一本化のカギを握る親盧武鉉派は、鄭候補の和解申し入れを受け付けそうにない。
李会昌元ハンナラ党総裁出馬か
李会昌元ハンナラ党総裁の大統領選出馬説が浮上している。
あるテレビ局が先月末、大統領候補の支持率調査に李元総裁の名を入れたところ、支持率は13.7%に達した。旧与党勢力の鄭東泳候補の20.4%よりは低いが、柳韓キンバリー前社長の文国現候補の6.0%よりは高い。
李会昌出馬説が急浮上するなか、ハンナラ党予備選以降、小康状態が続いていた李明博派と朴槿惠派の反目が再燃する兆しを見せはじめている。
李明博陣営は、朴槿惠陣営が李会昌元総裁をひそかに支持していると疑っている。
「政界引退宣言」以降、対外活動を控えてきた李元総裁は最近、反北朝鮮集会で演説をするなど、明らかに以前とは違う動きを見せている。「まだまだ(出馬は明言できない)」としながらも、その可能性を否定したわけではない。
李元総裁の悩みは、政治活動再開の理由がはっきりしていないところにある。李明博候補優勢の状況で、拠りどころとすべき政治勢力は無いに等しい。朴槿惠陣営との連携が噂されるが、現実味はない。
今のところ、李元総裁の頼みの綱は「世論の後押し」だ。李明博候補の「曖昧な対北姿勢」への批判は、李元総裁が支持を得るのに役立つかもしれない。
李会昌出馬の真偽は、今後少なくとも1週間は不透明なままとなるだろう。出馬・不出馬が確定するのは、大統領選挙候補の登録日である25、26日だ。
李明博候補 数々の疑惑にも
支持率が落ちないわけ
李明博候補には「孤独の人」というイメージがある。
彼には数々の疑惑がつきまとう。疑惑情報も止まらない。が、それでも支持率は下がる気配を見せていない。
李候補は、選挙法違反で有罪判決を受け、国会議員職を剥奪された経験を持つ。不動産投機・投資会社BBKにからむ詐欺共謀事件に深く関わっていたという疑いは、今も拭いきれていない。世論はしかし、彼への支持を変えようとは思っていないようだ。
支持率調査において李候補は、この3カ月間、政府に批判的な『朝鮮日報』『東亜日報』などの主要紙だけでなく、旧与党寄りの『ハンギョレ新聞』の調査でも50%以下に落ちたことがない。
不動産の不正投機にからみ、韓国政官界から去った人は数え切れないが、そうした前例と比較すれば、今の李候補の支持率維持は奇異に映る。
高支持率を維持している決定的な要因は、対立する陣営にある。李候補に対する不安や不信以上に、盧武鉉政権と旧与党勢力に対する嫌悪感の方が強いからだ。
今回の大統領選挙は「最初から“大悪党”の登場を防ぐため“小悪党”を選ぶレース」といわれている。
韓国国民は、大統合民主新党と旧与党勢力の候補に浮上した文国現、明白な親北朝鮮路線の民主労働党、鄭東泳候補が所属する大統合民主新党を「似たもの同士」と呼ぶ。口では「改革と進歩」と言うが、10年間の政権運営で韓国を混乱させた張本人、またはその追従勢力・亜流と見ているのだろう。
旧与党勢力が、いかに「候補一本化」という政治ショーを展開しても、国民は大きく動揺しなくなっている。
「私たちの敵は私たちの中に」
「大勢論」警戒する李明博候補
一方、ハンナラ党の李明博候補は「大勢論」に悩みを抱えている。
李候補の支持率は50%を越えて3カ月目になる。50%という数字に、誰も驚かなくなった。
しかし、50%という支持率は、出馬が確実な候補が他にいなかったからだという分析がある。これは否定しがたい。
李候補の支持率は、下がることはあっても上がることはないだろう。
旧与党勢力の3候補は決まった。大統領選挙の当面の話題は、3候補の一本化だ。旧与党勢力の候補に関心が集まるのは必至だ。
李候補は最近、大勢論を警戒する発言を頻繁にしている。
「大勢論はない。私たちの敵は、私たちの中にあるのかもしれない」(10月12日)、「最後には私たちが勝つという考えは、捨てなければならない」(10月15日)。
旧与党「李明博支持は虚像」
李候補の悩みとは裏腹に、ハンナラ党内では誰が何をしても「李明博候補が大統領になるのは確かだ」と信じる雰囲気が広まっている。
最近、ハンナラ党内では「朴槿惠・李明博の不仲」が再燃している。必死に隠してきた不仲を公の目にさらすほど、余裕が生まれたともいえる。
旧与党勢力の議員は、10月17日に始まった国政監査(政府機関の監査)で、李明博候補の「検証」に全力をあげる構えだ。対するハンナラ党の足並みは揃っていない。
旧与党勢力の候補一本化による勢いと、「検証」での攻勢が続けば、李候補はある程度の支持率を失うことになる。
旧与党勢力は、ここぞとばかり「李明博支持は虚像だ」と、貶める戦術をとるのは明らかだ。
大統合民主新党の予備選に参加したある人物は「李明博氏の支持率の15〜20%は泡のようなものだ」と述べた。
旧与党勢力からの検証攻勢と、党内部の慢心が李候補のアキレス腱になりそうだ。 |