混乱するソウルの特派員
今年に入ってから、韓国のニュースが国際的なトピックスとして海外で大きく報道されるようになった。具体的には、12月の大統領選挙を巡る政治情勢、北朝鮮の核問題、南北首脳会談などである。韓国が世界11位の経済大国であることを考慮すれば、当然のことと思われる。今、世界は激変している。こうした動きは即座に新聞、テレビ、インターネットで報じられ、各国の国民がそれぞれ判断する時代になっている。
各国の主なニュースは、その国に駐在している外国人特派員によって、本国その他の国に発信される。こうした報道は、その国のあらゆる分野にわたり、海外からのプラス・マイナスイメージを構築する判断材料となる。その影響力の大きさは明らかであり、各国は海外向け広報を重視するようになった。各国は外国人特派員を受け入れ、記者会見などの機会を設けて、自国の重要な政策や動きを直接内外に発信している。
「北に謝罪を要求するか」
10月19日、盧武鉉大統領は海外メディアを対象に南北首脳会談に関する会見を行った。目を引いた質問は、現在の南北休戦協定を平和協定に転換する場合、朝鮮戦争での北朝鮮の韓国侵略に対し、北朝鮮に謝罪を要求するかというものであった。盧大統領は「北朝鮮は戦争の敗戦国ではないし、今、韓国がその要求をしても現実性がない」と回答した。外国人特派員の評価は、盧大統領の親北朝鮮姿勢は従来と変わっていないというものであった。
会見に参加した海外メディアは読売、朝日、毎日、共同、NHK、日テレ、テレ朝、TBS、AP、ブルームバーグ、CNN、ワシントンタイムズ、AFP、ロイター、DPA、イタルタス、タイム、人民日報、新華社、アルジャジーラであった。欠席した海外メディアは産経、時事、日経、ダウジョーンズ、インターナショナルヘラルドトリビューン、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、ルモンド、BBCなどだった。
不参加の特派員が多かった
現在、ソウルには200人以上の外国人特派員が駐在している。1960年代の約40人から5倍以上に増えた。韓国の国際的地位が高まり、また報道に価するニュースの多い国になった証拠といえよう。
しかし、今回の会見では不参加の特派員が多かった。その背景として参加者の選別があったという話である。選別基準は明らかではないが、「会社の大小、論調によって排除したのではなく、多様な形態、各地域のメディアに参加してもらうため種々検討した結果」ということである。「政治的に微妙」と事なかれ主義を決め込んだのだろう。一事が万事だ。韓国政府は海外メディアに対し取材制限や行動規範を定めた規則は設けていない。しかし、海外メディアの役割に対する理解は極めて不十分であり、大いに反省の余地を残した。
もし、有力な海外メディアが韓国から離れ始めたら、韓国はニュースの発信地としての魅力を失い、政権寄りの記事しか発信できない国になる時代が来るかもしれない。今後、海外メディアによる韓国報道には、単発的な政治経済記事にとどまらず、長期的視野で韓国の社会、政治経済、テクノロジーなどを分析した長文記事も求めたい。そして、韓国の政治経済を報道する価値のあるものとし、自由に発信できる環境づくりを、次期政権に期待するのである。(本紙論説委員 尹敏鎬)
韓国内の外国メディア特派員 在韓外国人特派員は現在約200人。日本からは主要日刊紙をはじめ、通信社も支社を置く。フジテレビソウル支社がMBC局内にあることをはじめ、提携先の新聞社やテレビ局の一角を間借りしている場合が多い。
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