統一日報 ログインはこちら
ホームNEWS情報NETWORKデータベース
トピックス政治経済社説社会文化特集
2007年10月10日発行版
 
南北首脳会談  各国のメディアが疑問の声
 

反応きびしく  ソウルで反対デモ

 「もっと拍手をしてほしい。思った以上の成果をあげることができた」。4日、南北首脳会談を終え帰国した盧武鉉は、自画自賛した。しかし、韓国をはじめ世界各国で、南北首脳会談に対する疑問の声は強い。ソウルでは市民による反対デモも行われた。(溝口恭平)

「全国民が粉砕しよう!」「北同胞を救出しよう!」9月30日、盧武鉉訪北に怒るソウル市民  
   

 「韓国のレームダック大統領盧武鉉は火曜日、予測不可能な北朝鮮の指導者金正日と会談をするため、北に渡った」
 ワシントンポストは2日、国際面の記事でこのような書き出しの記事を掲載した。同紙は最近、盧武鉉を「レームダック」と呼んではばからない。
 専門家の意見として、北朝鮮が韓国などからの経済支援を引き出すことを目的としていると指摘したポスト紙は、離散家族や北朝鮮の人権、軍縮などの問題解決に対しても「意味のある成果を出せるかどうか懐疑的な見方がある」と報じた。
 ニューヨーク・タイムスは3日、南北の首脳が「差し迫ってはいるが、互いに違う目的で」交渉のテーブルについたと報じた。交渉を「リスクの高い賭け」に例え、会談の成果への期待値は低かったと伝えた。首脳宣言についてはいくつかの具体案が出たことは評価していた。
 英国のザ・タイムス紙は5日、首脳宣言を「大きく横にそれたもの」と表現した。同紙は「いかなる平和協定も中国と米国の同意が必要」とした上で、「米国はこの地域(朝鮮半島)から核兵器が排除されるまでは何にもサインしないだろう」と分析した。
 ロシアのモスクワ・ニュースは、AP通信の記事を引用し、「秘密主義の北朝鮮は明らかに新たな分野を切り開くことに消極的だった」と報じるに留まった。
 中国の人民網も、事実関係を簡潔に報じただけだった。
 韓国では首脳会談と前後して、市民らによる大規模なデモが行われた。
 盧武鉉訪朝の直前の9月30日と会談期間中だった3日と4日、未来連合、ニューライト国民運動などの保守系市民団体は、ソウル市内で5000人規模の集会を開いた。今回の南北首脳会談を「大統領選挙を控え、政権の延命に必死な盧大統領による政治ショー」と糾弾し、デモ行進を行った。

 

専門家の視点

懸念される大統領選への影響
高麗大北朝鮮学科教授 南成旭

 合意文は、非常に具体的で、合意履行の拘束力を、次期政権にまで繋げようとする意図がうかがえる。
 総論だけ合意した場合、次期政権で紙くずとなる可能性があることから、細かく具体的に踏み込み、次期政権が履行を拒否しにくくする狙いがあったと思われる。
 だが、今後の履行過程で、論議を呼ぶ可能性は高い。安保に対する考慮はなく、平和と経済協力だけが強調されているからだ。また、ほとんどの合意事項が次期政権の役割となるのも問題だ。
 共同宣言は、11月中に南北総理会談と国防長官会談の開催を盛り込んだ。大統領選挙の最終局面で、南北問題が注目を集める要因になるに違いない。対北強硬論は、大統領選挙で扱いにくい問題になるのは明らかだ。

経済統合に近づいた大きな一歩
仁済大学統一学研究所長 秦熙官

 北朝鮮は6・15宣言のうち、ソウル答礼訪問以外は、ほとんど合意内容を履行した。
 いわゆる「将軍様のお言葉」は、北朝鮮では必ず守らなければならないものだからだ。前回と違い、合意項目は多岐にわたるが、履行される可能性は高い。
 一部で南北経済協力の交渉パートナーが次官級から副総理級に格上げされたことに対して「独裁国家を相手に何の意味があるのか」と批判されているが、それは誤った認識だと思う。
 統一の前段階である統合過程の核心は、経済共同体だ。
 経済共同体の前提は、南北間経済協力共同委員会の構成だ。南北経済協力委員を次官級から副総理級に格上げしたことは、経済統合を推進する上で、大きな一歩と言っていいだろう。

韓国財界  協力拡大に期待?

 今回の南北首脳会談には、サムスンや現代自動車、LG、SKなど、韓国の4大企業グループの代表が同行した。
 財界は首脳会談後、一応肯定的な反応を見せた。

平壌に入ったサムスン、現代、LG、SK代表者たち  
   

 全経連は「南北経済協力の拡大が期待できる試験的プロジェクトが含まれている。このプロジェクトが実質的経済協力拡大路に繋がることを期待する」と明らかにした。
 10月4日の南北首脳共同宣言には、財界が北に要求し続けてきた投資環境の改善が多く盛り込まれている。中でも、いわゆる「3通」(通関、通行、通信)の不便さを解消することに合意したことで、北朝鮮側の姿勢の変化を高く評価したようだ。
 憂慮する声もある。北朝鮮が合意を履行するのかという不安があり、米国の北朝鮮に対するテロ支援国家の指定解除など、“北朝鮮リスク”もまだ解消されていないからだ。
 大韓商工会議所のある役員は「宣言どおり履行されれば、北朝鮮は世界一魅力的な投資地域になる」と述べながらも、「投資保障と紛争調停など、7年前も南北は4大経済協力合意書を出したが、どれだけ状況は改善しただろうか」と指摘した。
 4大グループのうち、北朝鮮に投資している企業はサムスンとLGだ。サムスン電子は平壌で年間2万台のテレビを加工しており、LG電子は開城工団で年間1万台ほどのブラウン管を委託生産している。
 サムスンとLGは、工場を建てて設備を整えた後、独自生産する直接投資をしたわけではない。間接投資だ。
 対北投資にもっとも積極的な企業は現代グループだ。韓国に戻った玄貞恩会長は「来年4月ごろ白頭山観光が具体化される見込みで、期待は大きい」と述べた。
 鄭夢憲現代峨山前会長(故人)の夫人である玄会長は、しゅうとである創業者の鄭周永会長と夫の遺志を継ぎ、対北事業に格別の関心を寄せている。現代グループは現在、大規模な対北事業費支出と自動車・重工業など主力部門の分離で、財界ランキング12位に落ちている。
 一方、3日に平壌・人民文化宮殿で開かれた企業代表懇談会では、南北間の投資への認識の差がはっきりと表れた。
 韓国企業の経営者は、対北投資拡大のためには北朝鮮の制度と投資環境の改善を優先させるべきと口をそろえる。企業関連訴訟への対処・調整方法がないなど、市場経済システムの質を高めることも重要だという。
 北朝鮮は「さらに大きく事業を推進してほしい」(ハン・ボンチュン内閣参事)、「協力の水準が上がれば自然と解決される問題」(朱東燦中央特区開発指導総局長)という反応を示した。
 北朝鮮投資に消極的だった大企業。開城工団には計44の韓国系企業が入居しているが、そこに大企業の工場はない。
 北朝鮮は本当に巨額を投じるに見合う土地なのか。安心して投資できるのか。大企業は深い悩みに陥っている。

南北首脳会談 「ソウル無血入城」誘う危うさ
 1947年10月3日、金日成は南北連席会談を提案し、いわゆる「左右合作」による“政権ゲーム”を試みた。
詳細はこちら
南北首脳会談  融和政策の集大成 バラ色の援助
 あと数カ月で任期を終える盧武鉉大統領の、この5年近くの執権の意味はどこにあったのか。
詳細はこちら
南北首脳会談  肩触れあって笑顔交わしても・・・
 南北首脳の3日間は、首脳会談というには、あまりに品格を欠いた指導者どうしの対面の場となったが、両者は会談前からそれなりに神経戦をくりひろげた。
詳細はこちら
合意文書  次期政権に加わる負担
 南北の首脳が署名した「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」は、平和定着と経済協力を全面に打ち出している。
詳細はこちら
 
 
当社は特定宗教団体とは一切関係ありません
Copyright 2008 onekoreanews.net All Right Reserved.
会社案内  個人情報  著作権  お問合せ