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2007年10月17日発行版
 
イスラエルのシリア爆撃
 

北の核拡散めぐり反目強めるチェイニーとライス

 ニューヨーク・タイムズは10日、イスラエル諜報機関のもたらした情報で、ブッシュ政権内に熱い議論が起こっていると報じた。
 イスラエルからの情報とは、シリアが北朝鮮の支援を受けて核兵器開発に繋がる初期の段階に入ったというもの。これについて、ディック・チェイニー副大統領と、コンドリーザ・ライス国務長官の間で意見の違いが見られた。

シリア国境を走るイスラエル軍のトラック
 
   

 チェイニー副大統領は政権内タカ派の代表格。依然として強硬な外交政策を主張している。
 対するライス長官は、オフェンシブ・リアリスト(攻撃的現実主義者)とされている。国家の安全を脅かす勢力には武力行使も視野に入れた対応をとるという立場だが、最近ではもっぱら対話を通じた外交的緊張緩和を重視している。
 政権内の議論は、イスラエルからの情報の真偽を問うものではない。情報に接したチェイニー副大統領が、シリアと北朝鮮に対する外交政策を再検討すべきと迫ったことが引き金となった。
 ライス長官らはチェイニー副大統領の発言に対し、「(イスラエルからの情報で)外交政策を転換するのは何の利益にもならない」と主張する。
 イスラエルは9月6日、シリアにミサイルを打ち込んだ。
 シリア政府は「イスラエル軍がミサイルを打ち込んだのは空の倉庫だった」と声明を出したが、空爆を受けた施設が北朝鮮とのかかわりがあったという見方は強く、複数のメディアは、空爆により北朝鮮の核技術者が死亡したと伝えた。イギリスのサンデー・タイムズは先月23日、イスラエル軍の特殊部隊が、空爆前にシリアの施設から核物質を運び出していたと報じた。
 米国政府関係者の話によると、空爆を前にイスラエル諜報機関は、米国に空爆の準備は整っていると伝えたという。この報告を受けた米国政府がどう答えたのかは定かではないが、空爆を正当化するためにイスラエルが事実を誇張していた可能性は否定できない。
 米国は現在、中東地域の平和会議開催を考えている。アラブ諸国とイスラエルの包括的な和平協定を見据えたものだ。
 米ブルッキングス研究所の中東専門家ブルース・リーデルは、「現ミサイルシステムより射程距離が100キロ以上延びたミサイルでもなければ、中東地域に全面戦争の危機は起こりえない」としている。
 北朝鮮はしかし、射程距離1000キロを超えるミサイル技術を有している。今後事実関係が解明され、中東安保に北朝鮮が悪影響を及ぼしているとわかったとき、米国は北朝鮮政策の見直しを迫られざるを得ない。
(崔世一)

 
 
 
 
 
 
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