| 金正日の「愚かな陰謀」
1947年10月3日、金日成は南北連席会談を提案し、いわゆる「左右合作」による“政権ゲーム”を試みた。それからちょうど60年後、盧武鉉と金正日は相まみえた。「60年ぶりの歴史的事件」という韓国メディアがあった。朝鮮労働党の戦術を知る韓国人は、あまりいないようだ。
6・15宣言(前回の首脳会談の声明文)の核心は、「外勢の排除」であり、今回は「わが民族同士」だった。米国(米帝国主義)を無視し、あるいは米国に反対することが会談の主題として一貫している。
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会談の結果として得た「南北関係の発展と平和繁栄のための宣言」の8項目を注視すると、不要な項目で満たされていた。
第1に、「6・15宣言」を“韓国の名節”として制定しようという、理に合わない合意だ。韓国国民の70%が同意していない「6・15精神と宣言」を記念しようという発想は、ふざけているという以外にない。
第2に、「統一指向的」に「法律的制度・装置」を整備していこうという点だ。理念や思想と制度を超越しようと言っているわけだが、韓国の反共法やすべての機構、これに相応する法を解体しようという企図が見え隠れする。
第3に、南北不可侵条約の締結と遵守、共同漁労水域と平和水域設定という美名の下、北方限界線(NNL)を撤廃しようとしている点だ。朝鮮戦争休戦から今日まで、NLLのために使えなかった海州港を海軍港として転換させるという恐るべき企みだと言える。
軍事関係と安保関係の長である国防長官と国家情報院長が随行員として参加している中で、このような申し出に合意する。これが今日の韓国の姿だ。
第4に、朝鮮戦争の休戦状態を「終戦」にしようという点だ。一見よく思えるが、これも2国だけで決めるのは不合理であり、不可能だ。
少なくとも休戦協定の主役である米国と中国が、朝鮮半島の平和構築のため、「6カ国協議の枠内」で核問題解決と同時に進めている事案であるにもかかわらず、それを無視している。
1970年代後半、北朝鮮は米議会に書簡を送り、朝鮮戦争の終了を要請した。休戦協定の平和協定転換後、外交協定を結ぶという北朝鮮の昔からの念願を、盧武鉉政権も巻き込み2カ国で働きかけようという金正日の「愚かな陰謀」が見える。不確実とはいえ、核放棄をする意思があるのなら、あれこれ口実を並べて合意する理由はない。
3日に終了した6カ国協議の約束どおり、今年内の核施設と既存の核兵器放棄が予定通り進めば、北朝鮮は韓国から得るもの以上の利益を得られる。
第5に、各種経済協力事業だ。相互主義が欠けているだけでなく、「ソウル無血入城」という軍事的危険を負うことになる。北朝鮮の軍事力のさらなる強化に繋がるからだ。
腹をすかせた人に魚を与えるよりも、魚を獲る方法を教えなければならないというタルムードの教訓を借りるまでもなく、時間がかかるにしても経済発展の方法を教える努力をすべきだ。
盧大統領の告白のように「改革開放」という言葉が通じないほど、北朝鮮は金日成主義と先軍政治をもって政権維持策に走っている。彼らはソ連式の改革開放(ペレストロイカ・グラスノスチ)を恐れ、中国式改革開放からも顔をそむけてきた。
この点で、韓国は戦略的に合意することができる絶好の機会を得ている。にもかかわらず、50兆ウォン以上韓国民の血税を「与えて、さらに与える」という、理に合わない方法を取ってきた。
最後に、人道主義事業だ。すぐに取りかからなければならない(特に北朝鮮の将来を見据えた)住民の人権問題と生存権の問題を見ずに、いわゆる対南工作の道具として使われる離散家族問題だけをさらっと言及しただけの思慮を欠いた合意だ。
北の真意見極める米国
南北首脳会談には、6カ国協議の枠を壊そうという意図が隠れている。米ブッシュ政権は、「核問題の解決なくして何の解決もない」と断言している。
ヒルと金桂寛による会合は、6カ国協議の枠内における作業部会の会合であるだけで、2者会談ではない。2人の合意は、米国政府の最終決定ではない。
3日に終了した6カ国協議の声明文は、今年末までに「すべてのウラニウムと関連する事柄の解決」と「すべての核施設の申告」、「核拡散の全面中止」、そして2005年の共同声明と今年2月の合意の履行が終わったとき(適切な時期)から、北朝鮮のテロ国家指定を解除し、米国との外交関係に合意するということになっている。
北朝鮮はこの合意声明の「やる予定」という未来助動詞「Will」を、「した」と過去形で発表したり、「する方向で考えている」というところを「すると決めた」という過去形で発表したりした。北朝鮮のそうした態度は、自分をリードさせようとする宣伝効果を狙ってのことだということに気づくべきだ。
米国のネオ・コングループの顔であるチェイニー副大統領は、今回の6カ国協議の結果を受け、南北首脳会談の合意を注意深く、憂慮を持って見つめていると表現した。
今年末までの「核施設関連報告」に対し、米国は、(1)確実で誠実な報告、(2)イラン、シリアなどの第三国との結びつきに対する疑問の解消、(3)既存の核兵器の処理、(4)人民軍内部からの反発を抑えるため、不誠実な報告がなされることへの憂慮の解消まで視野に入れている。北朝鮮の思惑通りには進まないだろう。
一部では、2008年3月をメドに米朝国交正常化の計画があるといわれる。すでに北朝鮮をテロ支援国家の名簿から除外したという説もあるが、これはヒルの話が誤って伝わっただけだろう。
南北首脳宣言要旨
南北両首脳が4日署名した「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」の要旨は次の通り。
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一、朝鮮戦争終結宣言のため、朝鮮半島で関連当事国会議を開催する。
一、6カ国協議の合意履行に共同で努力する。
一、11月中に南北の首相、国防相会談を開催する。
一、黄海に平和協力特別地帯を設定する。
一、核問題解決のため努力する。
一、現行の南北経済協力推進委員会を格上げし「南北経済協力共同委員会」をつくる。
一、京義線の貨物列車の運行を開始する。
一、白頭山観光を実施。ソウル―白頭山の直航路線を開設する。
一、離散家族再会事業を拡大、金剛山面会所完成後は南北の代表者が常駐する。
一、南北の応援団が京義線列車を利用し北京五輪に参加する。
一、敵対関係の終息、朝鮮半島緊張緩和のため緊密に協議する。
一、2000年の南北共同宣言を積極的に具現化する。 |