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2007年10月3日発行版
 
テロ支援国家の事実は消えたのか
 
 

 テロが忌むべき行為であることは論を俟たない。同時に、ある強国の勝手な国家論理と軍事的支配の構造が、これに抗う一部の人々から政治手段を奪い、彼らをテロへと駆り立てているのも明白な事実だ。このことは日を改めて論述せねばならないが、“国家テロ”の問題は、そのことと次元を異にし、また、焦眉の問題として取り上げねばならない。米国が「テロ支援国家指定リスト」から北朝鮮を除外しようとしているからだ。
 9月30日、北京で開かれていた6カ国協議は、共同文書草案に、北朝鮮の「テロ支援国家指定解除」という文言を盛り込んだ。いつ解除を行うのか具体的には触れてはいないが、6カ国協議の場で公的に指定解除について言及されたのは初めてのことだ。今回の6カ国協議で最大の争点となっていた問題に、米国はついに前向きに踏み込んだことになる。
 韓国の千英宇代表は共同文書草案が暫定合意されたことについて、「北朝鮮は大幅に譲歩」したと歓迎のコメントを出した。だが、合意への北朝鮮の軟化は、米国が「指定解除」への明確な姿勢を示したからだと見るべきだ。寧辺など3カ所の核施設の無能力化と「核プログラムの完全申告」を年内に行うことへの合意と引き替えに、テロ支援国家指定解除が行われるとすれば、無能力化の定義と申告の行程が不確かなだけに、真に北朝鮮が譲歩したのか疑わしい。見ようによっては米国が譲歩したように思える。
 重要なことは、北朝鮮がテロ支援国家である事実が消えたのかということだ。そうでなければ、米国の判断が過ちであったということになる。ブッシュ政権はこの点を明らかにせねばならない。


自ら認めた国家テロ

 「ラングーン事件」「大韓航空爆破事件」「韓国人拉致事件」「日本人拉致事件」などなど、北朝鮮による国家テロは数々あった。なかんずく、日本人拉致事件は最も赤裸々なものだ。金正日氏自身が北朝鮮機関の犯行であることを認めたことを忘れてはならない。ようするに“自白”したのだ。「盲動分子たちのやったことで、自分は知らなかった」と金正日氏は小泉首相(当時)に弁明したが、複数の国家機関が動員され、しかも、同じ目的で数十年にわたってその機関がひとつの任務に携わったとなれば、この場合、国家的意思が働いたと見なされるには十分すぎるくらいで、それが犯罪行為となれば、国家的犯罪という以外の何物でもなくなる。拉致事件が国家的犯罪である以上、「主犯」は国家責任者の金正日氏にほかならない。
 拉致被害者のひとり田口八重子さんは、「金正日同志の誕生祝いの席に招かれた時、私と同じように拉致されてきたと思われる日本人夫婦に会いました」と金賢姫元死刑囚に述べている。田口さんの言葉は、金正日氏が自分の誕生日に複数の日本人拉致被害者を目の当たりにしていたということを語っており、金正日氏のウソを暴いている。


指定外しは解決の道塞ぐ

 9月28日、高村外相は国連総会で改めて拉致問題の解決を北朝鮮に求めた。北朝鮮の朴吉淵国連次席大使は「日本が被害者全員の帰国を主張するなら、死者を生き返らせるほか解決方法はない」と反論した。これに対し、日本の神余隆博国連次席大使は、「拉致問題は現在も未解決」だと反駁した。
 拉致問題は正に未解決だ。解決とは、被害当事国の日本が、拉致被害者の生死を確かめ、生存者を無事連れ戻し、さらに、主犯である金正日氏の罪を国際法廷の前で明らかにして初めてその端緒につくことができる。
 北朝鮮をテロ支援国家指定から外すことは、そうした道を塞ぐことになり、空前絶後のテロ国家と、その主犯が大手を振って国際社会でのし歩くことを意味する。
 日本は米国がどうであれ、引き下がるべきでない。本紙もまた、韓国政府がテロ支援国家指定解除を歓迎しようと、断じてこれを認めるわけにはいかない。

 

 
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