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2007年10月3日発行版
 
韓国社会を読む「秋夕」 帰郷は楽しいが・・・疲れはどっと!
 

 

大人も子どもも「名節症候群」

 韓国で旧正月と旧盆は祖先の名節をたっとぶ最も大きな祝祭日だ。旧盆は「秋夕(チュソク)」と呼ばれる。会社は社員にボーナスを支給し、友人・知人間では贈り物を交換する。2つの名節の期間は連休となり、国中が休暇に入る。
 連休の何週間も前から故郷に思いを馳せる人もいる。

疲れは学生にも

 今年の秋夕は、最長9日間という大型連休だった。ところが、楽しいはずの名節を苦に感じる韓国人は少なくない。「名節症候群」といわれ、連休期間をはさんで疲労感に襲われるというものだ。ひどい場合、うつ病や情緒不安で苦しむ人もいる。
 連休期間中、苛酷な家事労働をしなければならない既婚女性に多い。女性は手の込んだ祭祀用の食事を用意し、特別な盛り付けを行う。片付けるのも「女の仕事」という考えが根強い。
 ソウルの江西第一病院の調査によれば、旧正月と秋夕の1週間前後に来院する既婚女性は、普段の2倍になるという。
 来院者は特に50代女性が目立つ。名節の期間中、体力と経験を兼ね備えた50代女性が家事の指揮を取ることが多いからだ。
 疲労を訴えるのは、中高年女性ばかりではない。若い既婚女性も、肉体的・精神的疲労に見舞われるという。
 名節の訪問順について「夫の家が先か、妻の家が先か」でもめるケースは少なくない。実際、訪問順を巡り、アパートから飛び降り自殺をした30代男性もいた。
 名節の期間中、夫婦関係が悪化することは、統計でも明らかになっている。
 ソウル家庭裁判所が昨年1月から7月まで集計した統計によると、「離婚申請事由」のうち、「配偶者の実家との不仲」は、282件。全体の6.6%にのぼる。
 配偶者の実家との不仲を訴えるのは、名節の連休期間に多い。旧正月がある1月は83件、旧正月直後の2月は68件だった。1月から7月の7カ月間のうち、旧正月のかかる2カ月で、53.9%を占めていることになる。
 性格の不一致(39.3%)、酒に酔っての暴力(16.8%)、経済問題(12.0%)に比べれば低いものの、配偶者の家族との問題で離婚を決意するケースがかなり多いことがわかる。
 裁判所によれば、離婚事由に「配偶者の実家との不仲」を挙げたカップルは、配偶者の家に行くこと、両家への贈り物、そして親類への小遣いが最初のきっかけになったと答えた。
 「名節症候群」にかかるのは、子供も同じだ。原因は「相手との比較」だ。
 親戚が集まれば、いとこなどと成績が比較される。
 「あの子は学校で一番だというのに、お前はなぜ成績が悪いのか」と、親からの小言を聞くことになる。
 「宿題がある」と言い、親の帰郷についていかない子供もいる。
 久しぶりに会った親戚が、からかい半分で言った一言で、傷つくのは子供だけではない。
 ソウルで暮らす次男が「2年前に借金して買ったマンションの値段が、2倍に跳ね上がった」と喜んで報告する。一方、釜山に住む長男は、10年間上がらない自宅の価値を嘆く。
 未婚の男女、大学受験で不合格だった学生、何年も職に就けない若者など、親戚の前に顔を出したくない人は多い。
 全国民の半分が帰省することから「民族大移動」とも呼ばれる名節。その伝統は、今も続いている。ストレスを感じることはあっても、それ以上に名節の帰省が楽しいというのが、その理由なのだろう。

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