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2007年10月3日発行版
 
在日韓国人たちの貢献は報われたのか 第5部 
 

済州道出身者8つの組織 ホテル建設で始まった観光開発

 在日韓国人の故郷を思う気持ちは強い。中でも済州道出身者は格別だ。在日韓国人の「本国貢献の元祖」とも言える。
 在日済州道出身者の団体が組織されたのは1960年代前半だった。

済州道の観光開発はこのホテルの建設から始まった

 1961年2月の東京の「在日済州開発協会」を皮切りに、1963年1月の大阪の「在日済州道民会」など、当時組織されたのは8団体にのぼった。
 当時、韓日間の国交がなかったため、在日韓国人は、韓国政府の招請などの特別なケース以外、自由に母国を往来することはできなかった。
 そんななか、在日済州開発協会は、組織として済州道を訪問する。1962年4月のことだ。
 当時の朴正煕国家最高会議議長は視察団との面談の席で「海外の同胞民間団体が故郷を訪問したのは初めてだ。非常に意義深い」と喜んだという。
 済州を訪問した在日済州開発協会視察団も「帰省メッセージ」を出したほど、当時としては珍しい出来事だった。
 訪問は在日韓国人の本国貢献を本格化する契機となる。
 視察団の一員だった金昶輝さんは、在日済州開発協会30年史でこう証言した。
 「当時から済州島は観光地として最適の条件を揃えていたが、イタリアから開発技術者を呼んで来ても、泊まるホテルがなかった。ただの粗末な旅館しかなかったので、道知事官邸に泊まらせるしかなかったと聞いた。このような事情から、在日韓国人でホテル開発をする人はいないのかという話が出た」
 支援者は使節団から出た。「私が責任を持ってやりましょう」。東京の金坪珍会長だった。
 金会長がその年の10月に済州市内で着工したホテルは、ちょうど1年後の1963年10月に完成した。現代風の客室とショッピングモール、カフェ、レストランなどを揃えた済州道初のホテル「済州観光ホテル」(現・ハニークラウン観光ホテル)誕生の瞬間だった。
 済州観光ホテルは客室数33の小さなホテルだったが、済州道観光開発の始まりであると同時に象徴になった。
 1962年を基点に、在日韓国人の済州道訪問は急増した。済州道によれば、61年まで年間100人に満たなかった在日韓国人の訪問者数は、62年には542人と、5倍以上に増加した。
 在日韓国人の済州道訪問急増で、済州道への投資や寄付も増えた。済州島居住者で、在日島民の世話にならなかった人はいないといっていい。
 済州道には韓国の他地域とはっきり違ういくつかの特徴があった。
 まず挙げられるのは、在日済州道出身者の多さだ。済州道の人口は、60年代30万人だった。大阪や東京などに住む済州道出身者は15万人ほどだったという。
 また、慶尚道や全羅道出身者と違い、済州道出身者は村単位の親睦団体を持っていた。植民地時代の1920年代から運営されていた団体もある。
 活動が盛んな組織を作っていた済州道出身者だからこそ、より効果的に母国貢献事業を行うことができた。
 在日済州道懇親会の一つである九星会は、66年から68年までの3年間で1800万ウォン(現在の価値で20億ウォン以上)を寄付した。
 済州道出身韓国人の中で、もっとも有名な人物に日本有機化学工業の安在?会長(大阪)がいる。
 安会長は、故郷の表善面の発展に多大な功績を残した。安会長一人で、村役場建設(68年6月、120万ウォン)、セマウル運動への寄付(72年5月と75年2月、計1400万ウォン)、電話開設(73年7月、450万ウォン)、道路鋪装(74年10月1000万ウォン)に寄与した。表善面出身の在日韓国人53人と共同で、1400万ウォンを集めて地元中学校の移転・拡張も行った。

 

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