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2007年10月17日発行版
 
編集余話 瞻星台
 
“ダライ・ラマ式典”に怒る中国

 今日、ワシントンで「ダライ・ラマ式典」が開かれる。憤る中国政府の顔が目に浮かぶようだ。式典とは「議会名誉黄金勲章」の授与式で、米国内外の民間人に与えられる最も栄誉ある勲章がダライ・ラマ14世に手渡される▲彼を「分裂主義者」と罵ってきた中国政府の心中は穏やかではない。が、これはおかしい。中国が突然、ラサに軍事侵攻し、チベット民衆の累々たる屍の上に、「中華人民共和国チベット自治区」を押しつけた▲孫文は辛亥革命で、清朝からの中国独立を宣言した。その際、チベットもまた清朝からの独立を宣言した。ようするに中国、チベットは対等だった。中国のチベット侵攻の描写は、幼きダライ・ラマ14世と友情を結んだハインリヒ・ハラーの『セブン・イヤーズ・イン・チベット』に生々しい。中国政府はこの本と映画の発売、公開を国内で禁じた▲「かごの中で生まれ育った鳥でも、かごのフタを開けると、外の世界を知っていたように飛びたっていくものだ」。ハラーはダライ・ラマの言葉を伝えている。自由を希求するチベットの思いは、世界の人々の胸を打ったものだ。それでも中国のダライ・ラマに対する「分裂主義者」という発言はまかり通ってきた▲式典に参席予定のブッシュは何を言うのか、注目される。参考にすべきは、ドイツだ。ドイツだけが中国をたしなめてきた。たとえば、ドイツ連邦議会議長のヴォルフガンク・ティールゼだ。05年4月の訪中時、中国から日本非難を求められ断った。中国が不快を示すと、やんわりとこう述べた。「ある国家が他国に対して過去の罪を問う場合、最も優れた方法は、その国家が先に自分の過去を振り返り、その過去の苦痛を深く反省して見せることだ」。ダライ・ラマに頭を悩ませきた中国。17日は、この政府にとって無視できない不名誉式典ともなる。(M)

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