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政治
2007年10月3日発行版
 
国交正常化にらむ米国
 

6カ国協議で焦り 

 奇妙な話だ。核廃止ではなく、「核不拡散」の問題に頭を悩ませる米国の姿勢が目立った。9月30日まで北京で開催された6カ国協議は、関係国が一応、共同文書草案で一致したが、大急ぎで取りまとめた感はぬぐえない。
 協議中、北朝鮮とシリアの核協力問題が浮上したことが、米国の焦りを誘ったのか。明らかではないが、核施設の無能力化や、核プログラム申告の問題を具体的に詰めるというより、取りあえずは北朝鮮の核拡散をくい止めるために共同文書草案をまとめたようだ。現に、合意は暫定でしかなく、各国は本国に持ち帰り検討を加えるという事態を生んだ。
 米首席代表ヒル国務次官補は「非核化に向けて実践的な段階に入る」として、無能力化の年内履行実現に近づいたと評価したが、文書案は当面の措置を盛り込んだにすぎない。各国本国がどう判断するかは10月1日の段階ではまだわからない。いずれにせよ、合意が北朝鮮の核放棄につながるとは、少なくとも米国の外交消息筋は誰も思っていない。合意文では、抽出済みのプルトニウムの行方に触れておらず、濃縮ウラン計画の問題も後退しているといわれる。
 米国は北朝鮮の核完全放棄を迫るのではなく、核放棄の体裁を整えさせた上で早期に“手打ち”へと運びたいのかもしれない。北朝鮮をテロ支援国家指定リストから除外する方向で進めているとも言われ、現に、今回の共同文書草案でも、いつ解除するかについてこそ触れてはいないが、解除問題そのものは文言で触れていると見られる。北朝鮮が草案に同意したのも米側の姿勢に良好な感触を持ったからだろう。
 北朝鮮に圧力を加える手段をすべてなくした米国にとって、残されているのは、「南ア・モデル」(核廃棄)か「インド・モデル」(核容認)、そして「イスラエル・モデル」しかない。このうち、前二者はほぼ可能性がない。米国はイスラエルのように、北朝鮮の核を黙認して、米朝正常化を考えている公算が高い。
 「ブッシュ政権は来春をめどに米朝国交正常化を図ろうとしている。今の政権にイラン、北朝鮮の二正面作戦はあり得ない」
 ワシントン情報筋から盛んに聞こえてくる話だ。
(政治部・金采浩)

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