| 対北責任負わされる中国
米朝正常化は近いのではないかという話が、このところワシントンの情報関係筋の間でさかんに取り沙汰されている。本紙が接触することのできた米国のある政府関係者は19日、「米国と北朝鮮の政府は、ほぼ間違いなく、来春3月か4月、国交正常化に向けた共同コミュニケを発表するはずだ」と明言した。おりしも、韓国の盧武鉉大統領の11月訪日の話が、東京とソウルの外交筋の間でささやかれ始めた。退任間近の韓国大統領がなぜ、わざわざ日本の首相と会うのか。異例のことだが、米国と歩調を合わせ、日朝正常化を促すことに目的があるのだとも言われている。米韓日の外交舞台の袖で、何やら対北朝鮮政策のシナリオが書き直されているようだ。(政治部・金采浩)
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米朝正常化を促しているのは韓国大統領? |
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この米政府関係者はペンタゴン筋に近く、米朝急接近に警戒心を募らせる国防総省の意を受けていると見られ、その情報は鵜呑みにできないところもあるが、正常化を急いでもおかしくないほど、対北朝鮮問題でのブッシュ政権の焦りはもはや誰の目にも明らかだ。
ブッシュ大統領の任期は再来年1月で切れる。残された1年2カ月、イラク問題で大統領としての不人気を買うばかりだった彼は、名誉挽回に打って出たいところだ。それが可能となるのは、イランとは違い、中国と責任分担できる対北朝鮮問題以外にはない。
ニクソン元大統領の例がある。ウォーターゲート事件でミソをつけた彼はしかし、米中国交正常化を成し遂げた大統領として米国民の記憶に刻まれている。
ブッシュ政権が米朝正常化を現実の問題として視野に入れ始めたのは、昨年10月の北朝鮮の核実験後からだったといわれる。ワシントンの消息筋は「初めに韓国政府からの強いプッシュがあった」と明らかにした。
「核実験をした国が核を放棄したことはなく、米国もまた核保有国を攻撃したことはない。こうした事実を前にすれば、有効な手立ては国交を正常化して、北朝鮮を落ち着かせることしかない。核問題は、平和体制の構築によって解決される」
盧武鉉大統領はブッシュ政権に何度もメッセージを送ったという。
今年9月の韓米首脳会談。シドニーで行われた記者会見の席上、ブッシュ大統領が米朝正常化問題に言及すると、傍らの盧武鉉大統領は、「もっと具体的に」と、再確認を求めて記者たちのひんしゅくを買った。首脳会談で盧大統領は、「北朝鮮の経済危機は待ったなしの状況にあり、これを放置すれば、韓米中の負担は計り知れず、核問題どころではなくなる」と念を押してブッシュ大統領に北朝鮮との正常化を迫ったようだ。
北朝鮮に対する強い外交カードをなくした米国は、核を放棄させるという不確かな交渉を続けることよりも、核を黙認し、その裏で責任を中国に負わせることのほうがリスクは少ないと考えているようだ。そのかぎりにおいて、米国にとって6カ国協議は有用なのだと、ワシントンの消息筋は見ている。
「北朝鮮の核を封じ込めるための責任は、金正日の後見人であることを自他共に認める中国以外にあり得ない。ブッシュ政権が6カ国協議を続ける狙いはそこにしかない。これは中国に対して強いたがをはめることになる」
転んでもただではおきないブッシュ政権の最後の戦略が見える。
ブッシュ政権の思惑は、現実のものとなるのか。今年4月、全米外交政策会議のシュワプ議長は、「いくつしか核兵器を持っていない現在の北朝鮮を受け入れたほうがいい。今後、北朝鮮にもっと多くの核兵器を持たせるよりはましだ。国交正常化へと進んだほうがリスクは少ない」と発言している。存外、ブッシュ政権の本音を代弁していたのかもしれない。
米朝国交正常化が、金正日体制の保障となることは言うまでもないが、それは、朝鮮半島の民族再統一へのモラトリアム(一時停止)を意味する。38度線はあったほうがいい。韓米中の思惑はその点では完全に一致しているようだ。
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