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2007年10月10日発行版
 
通信使の食材−7− 魚介類(1)
鄭大聲
 
 

先ずは鯛 煮物、焼物、刺身・・・

 獣肉類に次いで魚介類を取り上げている。

   

 一、鯛―大は膾(なます)に 調(ととのえ)ル。彼国の膾は日本のさしみ也。魚を鯉作りニして皿に盛り、辛子、酢小ちょくニ入て付べし、又日本向の膾も魚のあされぬやうにして進もよかるべし、小は油、醤油ニて能(よく)あぶり焦(こげ)ぬやうにして進也、或ハねぶりねふか抔(など)取合、煮ひたしてもよし。(信使道筋覚書朝鮮人工物附之写)
 口語訳すると以下のようになる。
 一、大型の鯛は膾つまり刺身にするようにしている。鯉の造りと同じく辛子(からし菜の種をすりつぶしたもの)を酢と合わせて小皿で付けること。また日本式の膾も形を整えて進めるのもよい。小型の鯛は油、醤油をつけてよくあぶり、焦げないようにして進めなさい。或いは煮てもよい。
 鯛を魚のトップに取り上げているのは、当時の朝鮮での位置づけが高かったことを意味しよう。
 ほかに、スズキ、ボラ、サバ、マス、ブリ、カサゴ、メバル、カレイ、アユ、アジ、タコ、イシモチ、イイダコ、イカ、エビ、アワビ、サザエなどが取り上げられている。
 カレイは、蒸して葛(くず)をかけるか、膾(刺身)にしてもよい。調味は醤油がよい。
 蛸(たこ)は、ゆでたのを醤油か酢で味つけする。または塩ゆでにしてぶつ切りで用いる。桜煮もよい。朝鮮では専ら干し蛸を賞味する。大きさは一間余もある。
 イイ蛸は塩ゆでがよく、味はうす味がよい。イカは干ものがよいが、新鮮なものもよい。
 海老(えび)は、朝鮮では稀なものだが、ゆでて殻を取って用いる。
 鮑(あわび)は、酢醤油を淡く加え、すり生姜を取り合わせて用いる。蓋(殻のこと)つきのままでもよい。朝鮮では鮑は常に賞味されるが、新鮮でもわた(内臓)は食べない。
 アワビの内臓は日本では珍味とされるが、これは食べないと付け加えている。朝鮮と日本との食べ方にちがいがあったことが分かる。サザエもアワビと同じとしている。
(チョン・デソン=滋賀県立名誉教授)

ブンマンサン わが同胞(はらから)の心象 葬送記−17−
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