| 人質解放の波紋 政治力得たタリバン
アフガニスタンの韓国人人質事件は、21人の人質が解放されたという意味で解決を見た。韓国国内では安堵感が広がっているが、韓国政府は「テロリストとは交渉せず」とする国際社会の暗黙のルールを破ったことになり、このことで今後、国際社会から批判を受けるのではないかと懸念する声が出始めている。身代金を支払ったのではないかといううわさも絶えない。「テロリストとの直接交渉」が、今後、韓国の内外で波紋を呼びそうだ。
(ソウル・李民皓 東京・崔世一)
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家族と再会を果たした韓国人人質たち(聯合ニュース) |
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国際社会の批判を懸念
「テロリスト」と交渉した韓国政府
「タリバンは韓国人を拉致したことで、アフガンの政治勢力として浮上した」
8月28日、AP通信が伝えたように、タリバンは政治的存在感を増したと言える。アルカイーダの同伴者として米軍に追われているはずの組織が、韓国政府との直接取引に成功したからだ。タリバンは、かつて政権を握っていた時のように、再び強い政治力を備える組織としてアピールすることができた。
タリバンが韓国人23人を拉致したのは、7月19日のこと。「収監中の仲間の釈放」と「韓国軍の即時撤退」を要求し、男性2人を殺害した。
それでも、ブッシュ米大統領とアフガニスタンのカルザイ大統領は、タリバンの要求には応じない姿勢を改めて強調していた。
理由は単純だ。要求に応じれば、タリバンは拉致という手段で目的を達成したことになり、これが前例となってさらに、同じ犯行を繰り返すおそれがあったからだ。
「支持率低下に悩むブッシュ大統領も、この点では国民に幅広い共感を得ている」と、米国メディアは報じている。
「テロリストとは交渉せず」は、国際社会の暗黙のルールだ。
テロリストによって人質にとられた自国民の救出のため、いくつかの国が犯人グループとの交渉に応じたこともあり、ときには身代金を出したこともあった。
たとえば、スペイン政府だ。1988年、「バスク祖国と自由(ETA)」がスーパーマーケットでの爆弾テロで21人の死者を出した。その半年後に、スペイン政府はETAとの交渉を行っている。
米国も原則を曲げたことがある。1979年のテヘラン米大使館事件がいい例だ。
米政府は、イランへの内政不干渉を約束。米国内のイラン関係資産の凍結を解除し、事件発生から444日目にしてようやく解決した。
9・11以降、テロに対する各国の連携は強まっている。テロは当事国だけの問題ではなくなったからだ。韓国もそのことに鈍感であったわけではない。
韓国政府は、「テロリストとは交渉せず」とする姿勢を放棄したわけではないことをアピールするのに躍起だ。
タリバンが出した第一条件である「収監されたタリバン兵の釈放」を拒否したことは、韓国政府にとって唯一の救いだ。
だが「既定方針」とはいえ、韓国軍撤退を合意内容に含めたことは、韓国政府がタリバンの要求に屈したことになる。
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