| 韓国崩壊の危機 乗り越えられるか
決戦の時 総力戦の12月へ
◆2007大統領選挙の本質は「体制競争」
今年末の大統領選挙は、単なる政権交代の選挙ではない。保守なのか親北なのか、憲法守護勢力なのか憲法反対勢力なのか、理念を異にする者どうしの「体制競争」である。戦われようとしている韓国大統領選挙の本質だ。
親北朝鮮とは、金正日体制に追従し、金正日の路線を歩む者をいう。明らかに憲法違反者たちだ。大統領選は、保守も親北も、動員可能なすべてのものを投入して争う、熾烈な選挙になるだろう。
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ハンナラ党予備選。花火を散らす李明博候補(右)と朴槿惠候補(2007年8月)
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◆保守必勝のキーワードは「李・朴団結」
ハンナラ党の李明博候補と朴槿惠候補の支持者を分析すると、支持基盤が極端に違うということが分かる。李候補は、高学歴で、30〜40代のホワイトカラーが主な支持者層だ。首都圏で支持を得ているというのも特徴だ。朴候補は、50代以上の低所得者層からの人気が高い。大邱を中心とした慶尚北道で強さを見せている。
最近、注目するに値する世論の変化が2つあった。
まずは40代の反乱だ。中央日報が2日に行った世論調査によれば、40代の68.9%は、李候補か朴候補を支持している。ウリ党系を支持するのは、わずか13.3%だ。
2番目は地域主義の衰退だ。
慶北・大邱の住民は朴候補を、他地域に住む人々は李候補を支持している。これは過去になかったことだ。支持層の違う2人が力を合わせれば、ハンナラ党の勝利は確実なものとなる。
ハンナラ党の予備選挙で負けた候補が勝者を積極的に応援すれば、敗者の支持層の離脱は少なくなる。党内選挙でどちらが勝っても、大差で大統領選に当選するだろう。
ハンナラ党の候補者と、ウリ党系で有力とされる孫鶴圭候補の決戦となった場合、支持率は60対20で、ハンナラ党候補に大きく傾いている。
韓国の大統領選史上、支持率においてこれほどまでの大差はかつてなかった。この差を覆すことは不可能だろう。
◆ハンナラ党の予備選挙の敗者は、71年の金泳三を倣うべき
1970年、新民党の予備選挙で金大中候補に敗れた金泳三候補は、金大中候補を応援する演説を行った。
「私が大統領候補になって、故郷である釜山で皆さんの前に立ちたかったが、応援演説者として来ざるをえなかったのは残念だ。しかし、必ず朴正煕政権には引導を渡さなければならない」
金泳三は、予備選挙で自分を破った金大中に協力した。1987年は反対だった。その年の大統領選挙で、金泳三候補と金大中候補の得票率は53%で、盧泰愚候補の36.6%よりもはるかに高かった。結局、候補の一本化に失敗し、盧泰愚が大統領になった。
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1945年10月24日慶尚北道・青松生まれ。韓国を代表するジャーナリスト。71年釜山の国際新聞入社。83年から月刊朝鮮に。98年月刊朝鮮編集長となる。01年月刊朝鮮社長。05年、同誌編集委員。現chogabje.com代表。著書に『韓国を震撼させた十一日間』(JICC出版)、『北朝鮮大封鎖』(講談社)など多数。
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◆李・朴の支持率(60%)が、ハンナラ党支持率(50%)よりも高い理由
ハンナラ党は、非執権党として、韓国政治史上最高の50%以上の支持率を得ている。
ハンナラ党の支持者は、36%の保守層と、40代、学生、ホワイトカラーだ。一見ばらばらに見える支持者をまとめたのは、李明博候補だと言っていい。李候補は政治的能力の高さから見て、雇用創出で期待できると考えられているからだ。
ハンナラ党は、李明博・朴槿惠の競争で、既存の保守層だけでなく、党として期待していなかった中道層と若者の票を確保した。この広範囲におよぶ支持層を、大統領選挙後の国会議員選挙(2008年4月)まで維持できれば、大統領選挙での大勝はもちろん、国会での3分の2以上の議席確保も夢ではない。
親北朝鮮勢力は、政界から一掃される。李・朴の共闘は、歴史の流れを変えて体制を正常化することができる。
◆残り四カ月、結果を左右する最大の要因は
ウリ党系の政治家が離合集散している理由は、政治力の源泉である支持率が低いからだ。20人以上の候補者の支持率を合わせても、13%余り。何をするにも力が足りない。このままでは勝算はない。
大統領選まで4カ月。それでも結果を左右する要素は多い。
国家予算と情報、捜査権や人事権を持つ政府の核心部処は、依然として親北派が掌握している。現政権寄りとされるKBS、MBCなどの放送各社の協力もあり、北朝鮮の核実験後も、開城工団と金剛山観光は続いている。
親北勢力は、今後も組織とカネ、情報などを総動員して、保守勢力と対立するだろう。保守派も可能な限りの資源と人力を動員する以外にない。
今回の選挙は、まさに総力戦だ。実際の戦争に例えれば、軍人だけで争う戦争ではなく、2度の世界大戦のように国家が持つすべての資源と人力を動員する戦争だ。
今回の大統領選挙は、単に政権をかけた対決ではなく、体制をかけた対決だ。
勝つための理論は簡単だ。
味方同士で団結し、同時に相手を分裂させた方が勝つ。1997年と2002年の選挙で、親北派は保守層を分裂させて政権を勝ち取った。組織を分裂させる要素を、内部に持っている方が負けるということだ。
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