| 在外国民投票権 12月に間に合わず
憲法裁判所全員裁判部(主審金鍾大)は先月28日、住民登録者だけに投票資格を認めている現行の公職選挙法と国民投票法などを、「すべての国民に選挙権を保障する憲法24条と42条に違反する」とし、これが違憲であることを宣告した。憲裁は、国会に2008年12月31日までに関連法の改正を要求した。285万人の在外国民は、遅くとも2009年からは大統領、国会議員、地方選挙、国民投票に参加できるようになった。(ソウル・李民皓)
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「完全勝訴」を喜ぶ原告団
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「在外国民の光復宣言だ。今日はじめて完全な大韓民国国民に生まれ変わったようだ」
在日韓国人2世の李健雨さん(55)は、感激することひとしおだった。公判の前、李さんは八年前の敗訴を思い出していた。
憲裁は1999年、李さんが国民差別だと申し立てた在外国民選挙権の請願を棄却した。憲裁は今回、判例を覆し、事実上の違憲判決を宣告した。
今回の判決は、在外国民が今後、本国での各種選挙に参加できる端緒を開いた。
最も大きな意味は、「住民登録」のような条項で、国民を区別することは違憲と結論づけられたことだ。
国内に住んでいるかどうか、外国で永住権を持っているかどうかを問わず、韓国籍を持つ者なら誰もが等しく国民としての待遇を受けることができるようになる。
しかし、憲裁は来年末を期限として、それまでは現行の選挙法を適用するとした。
法整備の面で混乱が予想され、投票方式と公正さを検討する時間が必要だというのがその理由だ。
政治家らは憲裁の判決を異口同音に「当然だ」と歓迎したが、今年末の大統領選までには選挙法改正は間に合いそうにない。
与野党ともに、今年の大統領選挙から在外国民に投票権を与えるべきだと訴えていたが、外国の永住権保有者にも与えるべきかどうかをめぐって争ってきた。
ハンナラ党は外国の永住権保有者にも選挙権を与えるべきと主張。ウリ党は短期滞留者から段階的に適用すべきとし、両者の意見は一致していない。
時間は迫っている。12月の大統領選に向け、中央選挙管理委員会が設定した準備期間は6カ月。すでに準備期間に入っている。
選挙法改正案を発議したハンナラ党の洪準杓議員でさえ「今回の大統領選挙までの法改正は難しい。来年4月の国会議員選挙以後、本格的な論議が始まるだろう」と述べた。
285万人の在外国民のうち、満19歳以上の有権者数は210万人を超えるといわれる。
選挙必要経費は、短期滞留者にだけ選挙権を与えた場合でも300億ウォン、永住権保有者まで含めた場合は500億ウォンというのが選管の推計だ。
〔憲裁判決に対する主要人物反応〕
李求弘在外同胞財団理事長
「当然の結果。『国民とされる人々のどの範囲まで選挙権を与えるか』という論議に終止符が打たれたと思う。政府の在外国民への認識と政策を総合的に整理するきっかけになるだろう。国ごとに状況が違う在外同胞社会の特殊性、国際法上の地位などに対し、綿密な政策を見定めなければならない」
李健雨在日国民参政権回復市民連帯幹事
「憲政史上、記念となる判決だ。政府や政治家たちが国民の明白な基本権侵害に目を向けなかったのは、時代遅れだった。今回の判決で彼らは初めて完全な国民としての資格を得た。とてもうれしい」
洪準杓ハンナラ党議員
「内外国民を差別する後進国のような法制度に警鐘を鳴らした。私見だが、今回の大統領選挙と来年の国会議員選挙での投票は難しいだろう。だが、在外国民は国政に参加する機会を得た」
「徳鎬地球村同胞連帯代表
「遅くはなったが、在外国民の念願がかなってうれしい。だが、本国での政治的進出を目論む人々の動きに警戒する必要はある」
キム・ジェワン在外国民参政権連帯事務局長
「憲法に違反しているのに猶予期間が生じた。これは政治家たちに時間稼ぎをさせることになる」
憲法裁判所全員裁判部 判決文(一部抜粋)
「公職選挙法」と「国民投票法」 一部改正を要求
全ての国民に与えられた権利
憲法裁判所全員裁判部(主審金鍾大裁判官)は2007年6月28日、公職選挙法の「選挙人名簿に載る資格がある国内住人」に関する部分と、国民投票法の「その管区の中で住民登録された投票権者」に関する部分は、憲法に合致しないことを申し渡し、2008年12月31日を期限に、立法者が法改正するまでは、前記部分の暫定的な適用を命ずる。
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在外国民選挙権の請願を受けて開かれた憲法裁判所全員裁判部の裁判
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<決定理由の要旨>
国政選挙権の場合
(1)国民の選挙権行使は、国民主権の原理を現実的に行使する手段として、また定期的な選挙を通じて国家権力を統制する手段としての機能もある。憲法第24条は、すべての国民は「法律が定めるところによって」選挙権を持つと規定している。選挙権を制限する法律は、憲法第24条によって正当化できない。
(2)憲法裁判所は1999年1月28日、旧法第37条第1項(住民登録にかかる部分)を合憲と判断したが、以下の点で見直しが必要だ。
@在外国民に選挙権行使を認めると、北朝鮮住民や朝総連系の在日韓国人の選挙権行使に対する制限も許容されることになる。だが、在外国民登録制度と在外国民国内居所申告制度で、これらの危険を予防するのは選挙技術上不可能ではない。
A選挙の公正性に欠けるという理由で、民主国家の機能的前提である選挙権行使を、特定国民に対して否定することはできない。
B選挙技術上の難点は、情報通信技術の発達などで乗り越えることができる。在外国民でもインターネットなどを通じて候補者の情報への接近は容易になっている。
C納税と国防の義務不履行を理由に、在外国民の選挙権を否定することはできない。在外国民にも兵役の義務はある点、兵役の義務と無関係な女性もいる点、すでに兵役を終えた人もいる点を勘案する。
地方参政権(選挙権及び被選挙権)の場合
(1)@国内に住所を置いている在外国民は、住民登録法による住民登録ができないだけであって、実質的には国民だ。
A憲法第15条は「永住資格取得日から3年が経過した19歳以上の外国人」に対し、一定の条件下で地方選挙権を付与している。外国民の選挙権が、外国人の選挙権にも及ばないのは不当だ。
B住民登録のみを基準に、全面的、画一的に地方選挙権を剥奪するのは、国内に住む在外国民の平等権と地方議会議員選挙権を侵害する。
(2)「外国の永住権を取得した在外国民」の住民登録が、法令の規定上不可能でも、居住の事実を確認できる方法は存在する。
憲法第16条第2項は、国会議員選挙において、住民登録の有無に関係なく、満25歳以上の国民なら誰もが被選挙権を持つと規定している。
国民投票権の場合
国民投票は、国家の重要政策や憲法改正案に対して、主権者である国民がその承認可否を決める手続きである。在外国民の国民投票権行使を全面的に否定する国民投票法第14条第1項は、国政選挙権の制限に対する判断と同じ理由で認められない。
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