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政治
2007年7月4日発行版
 
編集余話 瞻星台
 

「奈良が独立宣言したらどうする」

 「ここはセルビア民族揺籃の地だ。どうして手放すことができる」。16年前、コソボを案内してくれたタンユグ通信記者の言葉を思い出した。久しぶりに電話をもらったからだ。セルビア人は再びコソボをめぐって苦悩を深めているのだと彼は話した▼先月、アルバニアの首都ティラナを訪問したブッシュは、「コソボは独立すべきだ」と発言した。ブッシュはめずらしく米国の外で大歓迎を受けた。アルバニア首相ベリシャは「わが国建国史上、最も偉大な賓客」と持ち上げた。国際社会の不人気者となっているブッシュ、満面笑みを浮かべた▼「独立宣言は拒絶する」。セルビア政府は不機嫌だ。哀れなのはミロシェビッチだろう。「セルビアの魂を持った大統領」「コソボを守った大統領」と絶賛されたはずの彼は、米国の経済封鎖をうけていたセルビアから、ハーグの国際法廷に差し出された。前大統領を米国に売り渡したのも同然のその現政権も、さすがにティラナでのブッシュ発言には反発せざるを得なかった▼タンユグ通信の記者はコソボを案内してくれたとき、「ここはセルビア正教の聖地なのだ」としきりと訴えていた。私ごときにそれを言っても始まらないのだが、よほど、世界は聞く耳を持たなかったらしい。「セルビア悪玉論」は世界を覆っていた「悪玉論」の発信地は米国だった▼「それにしてもコソボの自治権剥奪はあんまりだ」と私は言った。彼は、ビザンチン、オスマントルコに侵略されたとき戦ったのは誰かと言いながら、唇を噛むようにつぶやいた。「教えてほしい。エルサレムを強奪したユダヤ人はなぜ許されているのだ」「もし、奈良に中国人が増えて、彼らが“奈良共和国”を宣言したら、日本人はどうする?」。私は日本人ではなかったが、言葉につまった。(M)

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 上海事変は、関東軍による満州事変と満州国建国に対する欧米列強の警戒心を満州の外にそらせることが狙いだったといわれる。
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