| 中国の軍事力強化警戒
米国防総省は25日、2007年度の年次報告書を発表した。議会にも提出される年次報告書は、50ページにわたり、中国の軍事力強化について書いている。主に人民解放軍の近代化と台湾海峡での軍備に重点を置いて記述している点が注目される。米国が台湾だけでなく米国の安全も脅かすものとして捉えていることを示しているからだ。(溝口恭平)
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中国の潜水艦「夏型」 |
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米国は、昨年発表した「4年ごとの国防検討報告書」でも、中国を「軍事的にも最大のライバルとなる可能性がある」と見て警戒していた。
昨年は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「DF31」の開発を最大の脅威として挙げた。現在開発中の新型ICBM「DF31A」は、米国全土を射程に入れている。
中国が特に軍事費をつぎ込んでいるのは、台湾海峡の軍備強化だ。その主だったものの一つに、最新式の原子力潜水艦がある。
「晋型原子力潜水艦」と呼ばれるもので、潜行した場合、発見は困難とされている。同潜水艦は現在開発中のJL2と呼ばれる射程距離8000キロのミサイルを16基まで搭載可能だ。晋型原子力潜水艦がJL2を搭載すれば、米国本土への攻撃が可能になるという。中国はこの晋型原子力潜水艦を、5隻建造する計画だと報告書は指摘している。
中国は今年1月、宇宙空間の衛星を対衛星兵器(ASAT)で破壊する実験を行い、成功した。米国は、「各国の有人飛行を危険にさらした」と非難した。自国の軍事衛星が最大の危険にさらされていることへの危機感は強い。
中国政府は正確な数字を明らかにしていないが、中国の軍事費は、最近約10年間、毎年2桁の伸びを記録しているといわれる。中国人民軍の急速な軍備強化は、「先制攻撃」されるのではないかという警戒心を、米国に抱かせているといわれる。
ワシントンタイムズ紙のビル・ゲルツ記者は25日(現地時間)付記事で、国防総省の職員の話を引用しながら米国が中国への警戒を高めている具体的な理由を2つ挙げた。
1つはASATで、もう1つはハッカーだ。
中国は2010年までに米国の軍事衛星を攻撃できるASATを備えるだろうといわれている。軍と民間のコンピューターネットワークを攻撃するためのハッカーは、現在訓練中だという。
ゲーツ米国防長官は、「中国の閉鎖性に問題がある。われわれが問い質しても、彼らは自分たちの戦略上の意図を明らかにしない。そのことが余計にわれわれの警戒心を強くさせている」と述べている。
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