| ぜいたくな金正日の食卓
キャビア、ロブスター、フカヒレスープ、寿司… 金正日が好きだとうわさされる食べ物だ。共通しているのは、北朝鮮で生産されない食材料から作られるという点だ。国連(UN)安全保障理事会は昨年10月、北朝鮮への「ぜいたく品」の禁輸措置を満場一致で採択した。グルメ金正日の「派手な食卓」は、本当になくなったのだろうか。北朝鮮民主化委員会(以下委員会)の黄長Y委員長は、これを否定する資料を本紙に公開してくれた。(ソウル・李清照)
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上から大成の蔬菜加工工場、大成食水工場嶺南の養魚場、順天の養豚場
すべて金正日一人のために稼働している |
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輸入禁止 どこ吹く風 コメ、豚、魚…1人のために生産
「(金正日が好きな)外国の食べ物の共通点は一つ。魚類だ」
金正日を誰よりも近くでながめた元護衛部高級将校の康明春(仮名)氏(53)は言う。康氏は委員会が先月公開した金正日専用別荘の資料を提供した人物だ。
「毎回欠かさず食卓に上るものがある。ヤマメだ」
調達する場所は平壌市大城区域にある養魚場で、護衛部所属の軍人が毎日、規格の17センチを満たす天然魚のなかから新鮮なものを厳選する。金正日の別荘の近隣には、漏れなく養魚場と釣り場があるという。
平安南道の湖畔にある延豊里、金城里、平壌市東部の渓流地域の三石里にあることから、金正日がどれほど淡水魚と釣りを好んでいるかがわかる。海水魚の養殖場は、平壌郊外の長寿院に一つあるだけだ。
金正日は海水魚よりも淡水魚を好むようだ。
康氏も「金正日はヤマメが一番好きだ。肉類はあまり好きではない」といっている。
おいしいものなら世界のどこまでも求めていくとうわさされる絶対権力者は、高価で珍しい外国産ではなく、国産の食品を楽しむ意外な一面を持っている。
すべての養魚場はしかし、ただ金正日ために存在する。
平安道・順川にある養豚場は、本来人民武力部の所有だったが、約10年前に金正日が自分専用に変えさせた。
この牧場に住む500頭以上の地元産の黒豚は、特別なエサを食べる。朝は漢方薬を混ぜた草を、昼はとうもろこしや栗などの雑穀を食べる。養豚場は清掃が行き届き、ほぼ無菌だという。
この養豚場の豚は、成長しても50キロに満たないミニ豚で、脱北者たちは「韓国ではこの豚は見られない。北でも順川以外で見ていない」と証言している。金正日用の「特殊豚」だ。
委員会の孫政勳事務局長は、軍隊時代に特殊豚のと殺現場を偶然目撃したという。
「38キロがと殺の対象だ。護衛局の軍官が手袋をはめて豚を連れて行ったが、ビニールに包んで持って出てきた肉はわずか2キロほどだった」
孫局長は、金正日用の肉を切り取った豚は、バラバラにされてそのまま捨てられると言った。絶対者の肉なので、手をつけてはいけないからだ。当然現場の軍人たちが密かに食べることはあるという。
主食の「コメ」も例外ではない。
北朝鮮で、ただ金正日一人のために稲作をする農家は約200人。平壌大成区域の精米工場で約40人が働いていて、平南・文徳郡と肅川郡に160人がいる。
1人に100坪が割り当てられ、田植と収穫、精米、包装などの全過程に責任を負う。
農家は包装する時に必ず自分の名前を記録しなければならない。万一金正日がおなかをこわせば、生産者は責任を追及されるが、他の地域の収容所に連れて行かれることはない。金正日専用農家になれば、死ぬまでその農場に残らなければならないからだ。
このシステムは金日成時代に導入された。今の農家は「ベテラン」が多い。
人よりもっと良い米を生産するため、互いに熾烈な競争をしてきたので、それなりの「ノウハウ」もある。主に肥料として使う「人糞」は、何日か沸かして毒素を除いた後、粉末にして撒く。
最近韓国ではやっている「ウェルビーイング」、「完全有機農」米を、金日成父子は数十年前から食べていたのだ。
専用食糧基地 全土に数十ヵ所
金正日専用の食品管理施設はほかにもある。
缶詰めや弁当など、金正日が移動する時に食べる物を作る「大成総合食品工場」、ヘリコプターで空輸した泉水を加工する平安道・陽コ郡の「大成食水工場」、護衛局所属軍人500人が管理する両江道・三池淵郡の「長脳参(人参の一種)栽培場」などだ。
金正日の専用食糧基地は、北朝鮮全域に数十カ所あり、委員会は本紙に、そのうちの24カ所を写した衛星写真を提供した。
康氏によれば、金正日の衣食住を専門に管理する部署は護衛総局2局(北では後方局と呼ばれる)で、配属された軍人の数は4万人以上に上る。
委員会のある関係者は「金正日だけのための別荘と食糧基地を管理する要員、諸般の運営のための費用は計算が困難なほど多い。一番貧しい国の治者金正日が、世界のどの独裁者よりも豪華に暮らしているのは納得できない」と憤慨した。
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