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2007年5月23日発行版
 
在米韓国人社会の光と影−4−  ヒートアップ
 

韓国式教育 通じなかった・・・

 「土地を売り、家を売り、子女教育をする民族」は、全世界に韓国民族しかいないのではないだろうか。肯定的に捉えれば、教育熱がかなり高いといえるのだが、問題はなぜそこまで教育に熱を上げるのかということだ。
 米国に移住した韓国人のほとんどは、「子供の教育のため」という。
 少し前、アジアの教育関係機関が行った調査によると、韓国の親の82%は、子供に医者か弁護士になるように望んでいるという。その反面、学生たちのなかで医者か弁護士を志望するのは24%にすぎない。
 韓国の親が、お金を稼げる医者か弁護士を好む傾向にあることはよく知られている。
 否定的に受け取れば、自分の子供を「カネ稼ぎの人形」にしようとしていることになる。
 米国を理解するためには、少なくとも4P思想を知らなくてはならない。
 第1はPuritanism(清教徒主義)だ。米国の建国における基本理念は、キリスト教の信仰である。詳しくは、英国国教会やカトリック教が行っていた、当時の堕落した教会信仰から、純粋な信仰を追求しようという清教徒の信仰だ。
 第2に、Personalism(人格主義)だ。あるべき人間の人格を追求する思想の中に、米国の法や社会は組織されている。この土台の上に個人主義(Individualism)が発達した。
 第3に、Positivism(実証主義)だ。これは事物に対し積極的かつ肯定的態度で臨むとともに、事実として明確に確実に認知するという。「適当主義」ではない。
 第4に、Pragmatism(実用主義)だ。米国を近代化させるうえで、最大の役割を果たした思想的方法論が実用主義に根拠している。「学習と実践」の原則を体現する思想だ。
 これらは米国教育の基本思想ともいえる。少なくともこれらの思想を基礎として、政治・経済・社会・文化・宗教が和合していると見るべきだ。
 バージニア工科大学の銃乱射事件の犯人、趙承熙を追う米国の態度に、4P思想を見ることができる。
 学校当局や教育機関は、この事件を単純に趙承熙の事件として処理した。
 政治家などは、人種問題に飛び火してはならないと、韓国人たちを安心させるよう努力した。捜査当局も、この方面に力を注いだ。
 あらゆるメディアが、事件の深層調査を行っている。韓国に不利な事実はひとつも挙がらなかった。
 学校当局や学生たちは、33本のロウソク、33基の十字架、33個の石碑を建てて、犯人趙承熙も「同じく被害者」として考えている。ここに米国の力が存在する。
 私はこの事件について、何年か前にソウルで、米軍の戦車にひかれて亡くなった女学生の事件を連想した。韓国の安保の第一線で働いていた米軍の「過失致死」をめぐり、反米感情は極度に高まった。「ヤンキー・ゴー・ホーム」と叫んだ一部の韓国人と今回の米国人の対応を比べ、恥ずかしさを禁じえなかった。
 「東方礼儀の国」の、儒教の高い道徳規律と倫理意識、仏教文化から学んだ深い哲学と慈悲の心はすべてどこかに行ってしまい、韓国人は乱暴で無礼になった。
 米国人もこのような事件をすべて知っているが、一度もこの問題は想起されなかった。
 趙承熙の銃撃事件を人種問題や韓国人に結びつけず、自ら知恵深く処理した能力は、4P思想で培われた米国人の人間性に根拠する。
 米州地域に住む韓国人移民は、教育水準が他民族に比べ高く、生活水準も高い。好条件のもとで暮らしている。
 しかし、良い条件下で暮らすということと、人間らしく暮らすということは異なる。良い大学で教育を受けたからといって、必ずしも良い人間性が養われるというものではない。
 前述したとおり、82%の親は、子どもたちの能力、趣味、興味、念願などを無視し、子どもが医師や弁護士になることを望んでいる。こうした親の願いを24%しか叶えることができない子供たちとのギャップを見ると、少なくとも58%は葛藤にさいなまれているといっていい。
 (ワシントン・金暎勲)

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