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2007年5月16日発行版
 
食ものがたり(99) 松の実
鄭大聲
 
 

滋養強壮に 料理の飾りに

 「チャッ」と呼ぶ。朝鮮五葉松、松子松、海松などと呼ばれる松の木の実である。朝鮮半島、中国、シベリア、日本に分布するが、日本は少ない。

   

 スーパーなどで売られているのは、中国、シベリア地域からの輸入品。
 韓国では古くから高級食材や薬として愛用されてきた。疲れて元気のないとき、病後の体力回復、食欲を増進させるときなど、松の実粥を頂くことで効果を上げたのだ。
 滋養強壮剤として知られる実は、皮をはいだときの香りと、白い光沢で料理の「飾りつけ」(コミョンと呼ぶ)によく使われる。
 単なる飾りつけにはもったいないくらい高カロリー食品である。
 脂質成分が多いがオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸が多く、これらが皮膚をなめらかにし、血圧を下げてくれ、スタミナをつける役割を果たす。ビタミンB群が多いのも特色で、くるみ、ピーナッツよりも鉄分が多いので貧血に効く食品となる。
 漢方では気力を向上させ寿命を延ばし、若さが保たれるとしている。
 むかしは庶民が思うように使えなかった松の実だが、いまは安価だし、比較的容易にいただける「高級」食品となった。
 (チョン・デソン=滋賀県立大学名誉教授)

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