| 『朝鮮旅行案内記』復刻
昭和9年(1934)に朝鮮総督府鉄道局が刊行した『朝鮮旅行案内記』が復刻された。復刻したのは、東京・台東区の著述業、金礼鎬さん=韓国民事法務研究会相談役=(80)。
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限定20部が復刻された『朝鮮旅行案内記』 |
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『朝鮮旅行案内記』は、朝鮮半島全域に張り巡らされた1930年代の鉄道全線(国有鉄道、私設鉄道)を歩いて紹介した希少本で、地図、カラー図版入り。A5版309ページ。当時の価格は1円20銭。
「駅名漫録」、「金剛山」の項目につづいて、全39路線、駅ごとに交通、宿泊、温泉、景勝地、古蹟、物産を案内し、乗降客、発着貨物などを紹介する。幹線は鉄道敷設の経緯、その戦略上の意義を説明している。満州事変(1931年)後の鉄道網完成期に出された案内記であり、日本の大陸侵攻の意図を透かし見ることもできそうだ。
案内記の概説は、「内地」(当時の日本列島の呼び方)から朝鮮半島に訪れる人に地理、風習、歴史を物語る。風習の記述は惹かれるものがある。
「われらの父祖の生まれ故郷を想像したり、73年前と現在を比較して見るのもいかが」
平安南道鎮南浦生まれの金さんは、鉱山技師の父の仕事の関係で平安北道雲山に米国人宣教師の建てた小学校に通った。
複刻版発行の理由を話す金さんの言葉の端には知らずと望郷の念がにじむ。こんな句を金さんはしたためた。
新郎馬上平安来
(新郎さん、ご無事でこられましたか)
平安来
(おかげさまで)
句は新郎が新婦の家を訪れたときのさまをスケッチしたものだ。案内記風習の項にも、「婚礼の儀式は、まず花婿が馬とか轎に乗って女家に行き」とある。
両班以外は馬にも乗れない当時、結婚式に新郎が馬に乗っていくことが最高の誇りだった。この日は新郎が両班になったのだ。鉄道があっても馬に乗って行く、そんな風習が描かれている。
『案内記』復刻版は限定20部。問い合わせは韓国民事法務研究会 TEL03・5904・4720
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