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2007年4月18日発行版
 
韓国社会を読む  海外移住
 

定年後の優雅な人生夢見て  「引退移民」への甘い誘惑

 20世紀初頭、ハワイと日本への移住から始まった韓国の移民史は、100年を超えた。
 商売目的か強制労働で連れて行かれたケースが多く、移民は「万里の波濤を越えるいばらの道」というイメージを抱かれがちだ。

移民をテーマにしたフォーラム。定年を迎えた人が多数参加した

 ところが最近、移民のイメージは大きく変わった。「引退移民」と呼ばれる定年後の海外移住が増えているからだ。
 定年後、余裕のある優雅な人生を夢見る人々は、東南アジアに目を向ける。物価は安く、距離的にも韓国と近いからだ。
 20日午後、ソウル・明洞の全国銀行連合会館で「東南アジア移民政策、体験者から直接聞く」という主題のフォーラムが開かれた。会場には定年を迎えた白髪まじりの参加者が目立った。
 「月200万ウォンあれば皇帝のような生活ができるのか」
 「お手伝いさんや運転手も雇えるというのは本当か」
 来場者からの質問に、海外移住の体験者は首を横に振る。
 「最低で300万ウォン」
 この額は余裕のある生活を保てる程度の水準だという。現地の情報は海外移住斡旋業者によって誇張されているのだ。
 移住のための初期費用も意外に高い。現地の市場価格どおりなら、5000万ウォンほどで小型のマンションと自動車を買うことができるが、実際は2、3倍高い値段になる。外国人だからだ。アパート購入費だけで1億2000万ウォンは準備しなければならない。
 経済的な問題以外にも熟慮すべき点は多い。
 一年を通して日中の平均気温が32度を超える暑さと、現地語か英語を使わなければならないという点は、海外移住者がぶつかる最初の壁だ。
 公共交通が発達していない地域も多く、マイカーで移動しなければならない。高齢の外国人が道を覚えるのは容易ではない。
 移住先で何をして暮らすのか、はっきりとした計画がなければならないことも大前提だ。
 ゴルフで時間をつぶし、何人かの知り合いと顔を合わせることがすべてなら、すぐ韓国に帰りたくなる。
 オーストラリアとニュージーランドに移住した「ゴルナク族」(ゴルフとナクシ=釣り だけしていた人)が、現地に適応できなかったことは一例にすぎない。
 海外移住希望者には、友達と行く集団移住や、一年の半分は韓国で生活する「渡り鳥移民」を計画する人もいる。有効な対策かどうかは疑問が残る。
 「ゴルナクは、3、4カ月のあいだはおもしろいだろうが、すぐホームシックにかかる」
 タイ、マレーシア、フィリピンなどに移住した韓国人は、移住斡旋業者の宣伝だけを鵜呑みにするのではなく、最低5回は現地に足を運び、充分に現地事情を知っておくべきと口をそろえる。幻想ではなく現実を見よという。
 「うまい話にはウラがある」とよく言う。
 「月200万ウォンで皇帝のような生活ができる国はない」と移住者は断言する。
 一日中サトウキビ畑で汗まみれになって働いて、数セントを手にしていた100年前の移民たちと比べると、「引退移民」という選択肢を持つ今の韓国人は、それだけでも皇帝と呼べるだろう。

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