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2007年4月11日発行版
 
食ものがたり(95) 山芋 1
鄭大聲(チョンデソン)
 
 

ネバネバの中に滋養がたっぷり

 山野に自然にあるのを自然薯(じねんじょ)と呼び、栽培種の山芋と区別する。中国では山薬、韓国では「マ」と呼ばれる。

   

 むかしから滋養強壮食品としてよく知られ、利用されてきた。
 山芋の、漢方薬としての効能を列挙すると、まず、筋肉をつくり、元気を出させ、眼と耳をはっきりさせてくれる。また、男性の性能力を高め、骨格を強くするとされてきた。
 体力とスタミナを求める現代人には、この山芋は魅力的な食べもののひとつである。
 成分は里芋類と同様に糖質つまりデンプン質が主である。山芋のぬるぬるした成分は糖質のマンナンと蛋白質のグロブリンが結合したものである。その蛋白質には人の体に必要なアミノ酸がほぼバランスよく含まれており、栄養価値が高い。
 山芋にはアミラーゼというデンプン質を分解して糖にする酵素がある。山芋を生で擂(す)ってご飯や麺類にかけていただくと、アミラーゼが作用して消化をよくしてくれる。熱すると、アミラーゼはこわれる。生でいただくことで価値が出る。
 山芋の生のものを擂って利用するのは、アミラーゼを生かした生活の知恵である。
 (チョン・デソン=滋賀県立大学名誉教授)

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