統一日報 ログインはこちら
ホームNEWS情報NETWORKデータベース
トピックス政治経済社説社会文化特集
2007年2月7日発行版
 
民族教育の危機
 
 

 金正日政権を支える韓国政府の対北朝鮮「包容政策」は、いよいよ在日韓国社会にも及ぼうとしている。
 昨年の「5・17」事態は、金正日氏を信奉する人々が民団中枢に浸透したことでもたらされた。民団が混乱に陥る中で私たちがはっきりと見届けたのは、金正日政権に忠誠を誓う在日の政治グループを、本国政府が支援し続けたということだ。韓国政府が「南北共助」精神を日本にも及ぼそうとした結果、引き起こされた騒動だったと言ってもいいだろう。


残る「5・17」事態の余波

 「5・17」事態の余波はまだ残っている。親北グループの民団介入は依然続いている。そんな中、ある意味でより深刻な事態が新たに進行している。韓国の与党議員らが盛んに朝鮮総連の「朝鮮学校」を訪問し、「朝鮮学校を支援せよ」と、政府に働きかけているのだ。盧武鉉政権は積極的にこうした議員らの要請を受け入れるような気配を見せている。これが実施されれば、民団に対する政府補助金の多くが朝鮮学校への支援に振り向けられる可能性が高くなる。「朝鮮学校」は豊かになり、民団系民族学校が先細りになるという構図が見えてならない。
 韓国政府と与党、それに日本の親北政治組織は、「民族教育をしっかり行っている」と総連を評価、朝鮮学校を高く評価している。反面、民団系の学校教育にはこれまで好意的であったとは言い難いものがあった。民団の活動種目には「民族社会教育運動・次世代育成事業」がある。在日韓国人子弟が学齢期を終える頃には母国語が習得できるようにと、努力は払われてきた。乏しい財政の中で、「土曜学校」や「ウリマル普及活動」といった活動が行われてきた。こうした活動に韓国政府は関心を払わなかった。「朝鮮学校に勝る民族教育機関はない」と見なしてきたからだ。単純に学校数(民団系4校、朝鮮学校120数校)と、「民族教育」に割かれる時間の多さだけで評価されていた。
 学校数に関しては民団、総連の力の入れ方が異なることから差が広がった。総連は民族教育というより、「金日成・金正日忠誠分子」を養成するといった側面を持たせた。そのような「教育熱」に民団は敵うべくもない。
 朝鮮学校のカリキュラムはどうか。「民族教育」の割合は35%と高いが、ほとんどすべての科目は金日成・金正日に対する忠誠教育が施されていると言っていい。少なからずの卒業生が「非常識な教育だった」と吐露している。卒業後、自分が世界の教育レベルから落伍し、一般常識面でも適応できなかったと告白する人たちも少なくない。彼らは地域の日本人から「反日教育やスパイ教育、地下銀行の使い方を学びに通っているのか」と、白眼視された経験を持っている。
 朝鮮学校でどのような教育が行われているのか、盧武鉉大統領が知らぬわけはあるまい。むしろ、そうした実体を知るがゆえに民団への補助金支援を削減してまでも支援しようという狙いが透けて見える。


民族教育の根付くところ

 本国政権は在日子弟と、その親たちの抱える深刻な状況に、それこそ本当の民族教育という観点に立って向き合うべきだ。約六万人の在日子弟のうち、民団系の学校に通うのはわずか1%にすぎず、盧武鉉政権が絶賛してやまない朝鮮学校ですら10%だ。圧倒多数の子供たちが日本学校に通っているが、ここでも日本の教育法改正の下で悩みを深めている。いわゆる「愛国教育」だ。父兄たちは「君が代斉唱に親はどうすればいいか。日の丸掲揚にどう立ち会えばいいのか。家庭で子供たちに愛国をどう教えればいいのか」と、深刻な悩みを本紙に訴えている。
 在日韓国人の民族教育とはささやかなものだ。ただただ、セルフ・アイデンティティーを持たせたいとする親たちの願いなのだ。そんな人々が在日韓国人の本当の姿であり、民族教育もむしろそこに根付くべきものなだと訴えたい。


 
当社は特定宗教団体とは一切関係ありません
Copyright 2008 onekoreanews.net All Right Reserved.
会社案内  個人情報  著作権  お問合せ