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2006年12月6日発行版
 
サラムひと  紺谷延子(こんたにのぶこ)さん
 

自身にも開かれた新しい道  「一点の恥もなく」生きたい
詩人尹東柱との出会いから  平和記念碑建立に向け活動

 宇治川のほとり、豊かな緑の中に世界遺産の宇治上神社などが点在している。毎日見ていても飽きない風景。詩人尹東柱も見ていたと知る。「なんだか不思議で、彼を身近に感じるようになった」

尹東柱ゆかりの天ヶ瀬吊橋にて

 詩人尹東柱記念碑建立委員会の事務局長。2007年5月の完成を目指し、活動を続ける。
 持ち歩く膨らんだ手提げかばん。記念碑建立の協力を呼びかける趣意書が詰まっている。主婦業の傍ら、地道な活動を続けて1年。約800人から募金を受けた。現在、目標の半分を越える約400万円が集まっている。
 日本でも多くの人に愛されている尹東柱。ハングルで詩を書いていたため、治安維持法に問われ逮捕される。1945年2月に獄死。遺体は駆けつけた父親に引き渡された。
 親として、人として、残酷な事実に胸が痛んだ。尹東柱を歴史の中でとらえ、生き様を語り継ぐ決心をする。
 「私たちが後世に伝えなければならないこと、守らないといけないこととは何なのでしょうか」
 逮捕される2カ月前、尹東柱は同志社大学の友人と宇治川へハイキングに出掛けた。天ヶ瀬吊橋での記念写真が現存している。二度と同じ光景を見られないとは知らず、穏やかな表情を浮かべている。
 記念碑はその天ヶ瀬吊橋付近での設置を予定。「記憶と和解の碑」と命名される。詩の内容が周辺の状況と合っていることもあり、作品「新しい道」が刻まれる。
 完成すれば、平和を訴えるシンボルになるだけではない。日本人も在日韓国・朝鮮人も、尹東柱を通じて一つになったという意義ある証だ。市民が歴史を振り返るきっかけにもなる。「完成してからが始まりです」
 尹東柱を知ってから、自身にも「新しい道」が開けた。
 「私も彼のように一点の恥もなく生きたい」

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