| 注目される核開発との関連性
「またか。もうこれ以上、総連にはいられない」総連活動歴20年のAさんはつぶやいた。11月27日、拉致問題に続き、朝鮮総連と北朝鮮を結ぶ不正事件が新たに発覚した。朝鮮総連中央本部の南昇祐副議長は、組織内部に渦巻く否定的なムードをいち早く読み取ったのかもしれない。(政治欄に関連記事)
軍関係、高級官僚の治療剤?
「前例のない極めて悪質で許しがたい暴拳である。在日朝鮮人に対する不当な弾圧と人権侵害を即時中止することを強く要求する」
総連の決まり文句ではあるが、家宅捜索の第一報を知って、南昇祐副議長の談話は早かった。彼ら活動家たちは3日後には、都内で家宅捜査を糾弾する集会を開いた。
警視庁公安部の調べでは、女が今年5月に万景峰号に積もうとした医薬品は200ミリリットル入り点滴薬「強力モリアミンS」60パックと肝臓疾患用薬品「強力ネオミノファーゲンシー」120アンプル。
肝臓治療薬は、被曝治療にも有効とされていることから、核開発との関連性もささやかれている。厚生労働省の医薬食品局によると、効果の確認はできていない。
女はなぜ北朝鮮にこれらの医薬品を持ち込もうとしたのか。
南昇祐副議長は、「ガンの手術をした女性が、自分のために持っていったものだ」と談話文で強調している。だが、今年6月に神奈川県警が摘発した別の事件でも、今回と同じ2種類の医薬品が北朝鮮に輸出されていたことが分かっている。
「軍関係、高級官僚の治療剤だ」と話すのは元総連活動家L氏だ。
ここ最近、北朝鮮では日本の医薬品を必要とする風潮が広がっていたという。一般住民は薬どころか飢餓の淵にある。富裕層で医薬品の需要は高いと、L氏は言う。また、治療薬が利益を生むことに目をつけた高級官僚が商売としている可能性もあると指摘する。
とはいえ、医薬品の輸出目的は何一つ明らかにされていない。
確かなのは今年に入り、万景峰号を使って北朝鮮に輸出された点滴薬は1万袋を超えるということだ。
|